時巡る巡る
故郷に売られた私は乙女に変わる
でも、私は蛹のまま
今日も客の相手もする
花のかんざし、べっこうの櫛、黒蝶乱れる艶姿

ここは女の奈落の底
どうしてなの?
一生出ることのない檻の中で、私はあがき続けるの

ある日私は貴方に逢う
朗らかな笑みが似合う貴方に
これが恋だというならば、私は初めて恋をした
紡ぐ言葉、桃色の頬、重なり合う手の甲

ここは女の奈落の底
どうしてなの?
貴方に手を伸ばせば、檻の鍵が開く音がする

貴方と幸せな時流れる
それが私の夢となり
私は綺麗な蝶になる
貴方という名の花にとまる蝶に

ここは女の奈落の底
どうしてなの?
貴方がいればここでさえ花咲き乱れる園に変わる

貴方は一人の長となる
相手は京のお公家様
私とは違いすぎて、思わず笑ってしまったわ
貴方は申し訳なさそうに
「もう来ることはない。でも一緒にいたい」と呟く
どうしてなの?
貴方だけでも幸せになればいい
そう返すけれども……

ここは女の奈落の底
でも、もういいの
貴方と共に本当の奈落へ逝くのだから


もう一度世で出会えるならば
その時は幸せになりたいの

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

堕ちゐく蝶

明治初期の遊郭(吉原)をイメージして作りました。
ダークです。

閲覧数:42

投稿日:2011/02/11 16:08:01

文字数:484文字

カテゴリ:歌詞

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