13 ギルドの仲間 その1
私はターナカさんに連れられ、セシルさん達のいるテーブルに移動した。
「おー、MASATO、女の子だったんだねー。驚いたねー。おじさん驚いちゃったなーー。」
うぅ、セシルさんを直視したくない・・。もう結構飲んでるっぽいし、自分のことおじさんって・・でもホントにオッサンだ。ゲームの世界じゃ話し方とかも紳士っぽくてカッコいいのに、女の人にもモテるのに・・リアルだとなぜこうなる。
ふとその横にいるレンを見ると私を真っ直ぐ見て怯えている。
「まださーギルドのみんなとマサトは自己紹介してないでしょ、だからみんな順番にしてこうぜ。まず俺、田中な、もうさっき言ったけどね。」
「よーし、次は俺だろ、ギルドマスターのセシルです。まさかね、君がこんなかわいい女の子だったとはね。正直おじさんうれしいよ。今度からね、俺のことパパって呼んでいいからね。遠慮しなくていいからさ、というかむしろパパって呼んで。」
「ギャハハハーーー何言ってるんすかー。」
「マスター、それ犯罪ですよーー。」
「え、そう?パパって呼ばれちゃやっぱマズイ?ダハハハッ。」
だまれセシル、もうたくさんだ。
「はい、次俺、キリです。よろしくー。」
「俺、かるです。よろしくねー。」
「私はメルです。」
次々と自己紹介をしてもらった。あ!こんな人なんだと驚いたり、イメージ通りの感じだとか思ったりして私は今まで体験したことのない面白さを感じた。
へ~現実の世界で会うと違うなー、みんなやっぱ大人だなー。でもいい人そうな人ばっかだなー。そして次の人の自己紹介で驚いた。
「あぁ・・どうも、茜です。」
!!茜さん!?あの、私の一番のお気に入りキャラの茜さん!?本人に内緒でスクリーンショットまで撮ってる茜さん!!中身の人、完全におじさん!歳は40代後半から50くらいに見える。私のお父さんより年上かも・・。・・この人が茜さんなんだ・・。
私はまじまじとリアル茜さんを見ていた。
「なんか・・、照れますな・・。」
あ、やっぱ茜さんだ。この雰囲気は茜さんそのものだ。あー面白いなー。ゲームの世界で見てきた人達を実際に見るのってこんなに面白いんだなー。セシルは別として。
いきなり女として現れて、さんざん人を驚かした自分のことは棚に上げて私は感激していた。そしてテーブルにいた最後の一人が口を開けた。
「ジャスティスです・・。」
聞き取りづらい小さい声で名前を言った人はあの鬼教官ジャスティスさんだった。!!これまた意外。私は実物はもっと大きな体格をしていて、堂々としている人かと思っていた。そしたらどうしたことかまったく私の目を見ずに顔を下に向けている。いつもは私に対して上からものを言うくせに。なんなんだろうこの人もよくわからない人だなー。私は不思議でしかたなかった。
レンを見るとまだ怯えている。さっきから私をずっと怯えながら見ているだけで何も話していない。だめだこれは、この席から離れよう。
私は他の人達とも話しをしてみると言って元のいた席に戻った。するとターナカさんもこちらに来た。
13 ギルドの仲間 その2へ続く
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