熱、まだあるよ?
無理して仕事に出ようとする、風邪ひき強がリン。
レンにはお見通し。
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まだ夏風邪が抜けきらない、気だるい朝。
気持ちとは裏腹に、体は正直で。
着替え終わって、私はついついベッドに腰を下ろしてしまう。
(うう~…まだ頭がちょっとぼーっとするよー)
(でもレン君、昨日もすっごく心配してくれてたから、今日はお仕事行かなきゃ…)
―コンコン
「リンちゃん、起きてる?具合は…」
「…レン君、おはよ。今日は一緒にお仕事行って、唄えるよ~」
ノックとともに姿を見せたのは、レン君。
大事な、私の、パートナー。
綺麗な蒼い目を丸くして歩み寄る彼に、私は立ち上がりながら微笑みかけた。
「…リンちゃん、もう、熱平気なのか?」
「うん、へっちゃら!3日も寝てたから、もう唄いたくって、仕方がな…」
急に立ち上がったせいか、視界は暗転、またぽすんっと軽い音をたてて私はベッドに落ちる。
「…あはは、やだ、あたしったら」
「リンちゃん、やっぱりまだ」
「へーきへーき、もう心配症なんだから、レン君は…」
笑って見上げようとすると、視界は、透けるような金髪と、蒼と、心地よい響き。
「リン」
あわさったおでこを通じて感じるのは、熱なのか、この、レンと唄いたいという気持ちなのか。
「…オレはリンのパートナーだから、わかるんだよ。まだ、熱あるから、今日も休め?…な?」
…私は、このまっすぐな眼差しに、弱い。
「いいこだから。リンちゃんの好きなもの買って帰ってくるし、唄いたいなら、今日1日ゆっくり休んでから、明日一緒に唄おう。…OK?」
…私は、この優しい声にも、弱い。
「…わかった、レン君、…行ってらっしゃい」
思わず拗ねるように呟いた私に、彼は髪をくしゃりとなで、笑う。
長い指がすっと伸び、私の白いリボンヘッドフォンをほどくと、サイドテーブルに優しく置いた。
「行ってきます」
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コメント1
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ご意見・ご感想
ゆーね
ご意見・ご感想
メッセージありがとうございました。
そして、こちらこそ萌えです……!
イケレンにきゅん、としちゃいました^^*
2009/08/16 12:44:51