今日もくだらぬ愛を描け
明日にはきっとさよならの一つも言えず、後悔になる
いつか自分の声を忘れるとしても
もう少し、言葉を探す
欄干の蜂を追い出すぐらいの衝撃があった
蛇口を全開にした 僕にもかかる勢いで水が吹き出た
濡れた袖口を絞る自分の姿を俯瞰してみたけれど
無産市民は呑気なもんだ でもまぁ、むしろ、そのままでいい
覚えのない目標、僕か他の誰かの夢だったっけ
生活さえ絶え間ない重みだから
放置した排水溝が臭った
人の人生なんて厭わしや
生涯孤独の図面を広げて、毛布の肌触りを頬に感じる
いつか冷たくなってしまうとしても
まだ、このままいられたなら
今からでも僕は綺麗に変われるのだろうか
誰もわからないよな あまり期待はしなかったからいいか
空振り続けてはや二十年、そろそろ疲れてきたけれど
覚束ぬまま一日が過ぎて、けどそれが、いつも僕を枯らすから
頭で考えてみたけれど、わからないことばかりだ
散らかる参考書と小説の重さを感じる
悪気だけがあるわけじゃないのに
冬始め、哀しくなりや
陽の光も差さない部屋の中で、樹木の逞しさに嫉妬する
角度が違うだけとわかっていても
温もりが羨ましくて
嫌気が差して
用水路に溺れる人をただ眺めていた
気泡混じりの声が、なんだか愉快だった
自信がないから贋作家にもなれなかった
再三語った僕の詩に血肉はないのかな
一度くらいは生きた作品を夢見る
苦悩の美しさとやらを見せてみたい
でも、何もしていないじゃないか
今日もくだらぬ愛を描け
明日にはきっとありがとうの一つも言えず、後悔になる
また生き様に苦しんでしまうから
もう少し、言葉を探す
深みのない言葉も愛おしや
ため息とまた天井を仰ぎ見て、季節の感傷にずっと浸っている
春が来る前に僕の手で掴めたなら
今日も探す花言葉
ポーチュラカを見つめる
マリーゴールドを見つめる
庭のイチゴに水をあげる
新しくビオラを植える
そのどれも、足りないから
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