……なんだアレ。マジか。
「……あ、あのっ!
俺、ずっと君のこと見てて…、ずっと、好きでしたっ!!
だから、あの…っ!付き合ってくださいっ!」
……なんだって俺は、昼寝しているはずの昼休みの定位置で、クラスメートの告白風景を眺めなくちゃならんのだ。
しかも相手はうちのクラスの美少女の中でも五本の指に入る、高橋雪璃じゃねえか。
無理無理。お前じゃ絶対無理だって!
「……まず、ずっと見てたとか気持ち悪い。
それと、なんなの?昼の時間削ってまで言われることじゃないし。
っていうか、やめてくれないかな、そういう冗談。
正直迷惑なんだ。
――総じて無理。謝る気もないけどね」
……あっれー?高橋ってこんなに口悪い奴だったっけ?
そうか、喋ったことがないだけかー…。
「そ、それなら、せめて友達からでも…っ!」
いやー、多分無駄だと思うぞ、ソイツ。
お前、既に眼中にねーもん。物理的に。
「……っていうかさ、アンタ、誰だっけ?」
「…………え。」
ひっでー!これはひどい!
「いや、なんとなく見たことはあるんだけどー…、そっか、クラスメートか。
ふうん…、初めてだよ、クラスメートに告られるの。
基本的に、皆クラスでの私を見て諦めてるからね。そっかそっか。」
…………いやいや、ちょっと待てよ。
それ、自分で言ってて嫌にならねえか!?
「…………じゃあ、俺はこれで……。」
…ドンマイ、クラスで初犠牲者。
さーって、寝よ寝よ。
と、木にもたれかかって目を閉じると、
「…………………うー…、ごめんねー…。
でもそういうのわかんないし…。
あーもー……、ごめんね太田君……。」
……え?
「やっぱ、告白って慣れないなあ……。
う、うまく誤魔化せてたよね!?
うん、きっと大丈夫っ!」
…………なんだ、普通に良い奴だったのか。
っていうか、わざわざあいうキャラ作ってたのか…?
しかもなんという思い込み精神だ。
ある意味流石だが。
そんなどーでもいいことを考えながら、思わず開いてしまったまぶたを再び閉じて、眠ろうとしたその時。
「っ!?」
「…あ。」
それが、俺と彼女――高橋雪璃――との、衝撃的な出会いだった。
それでも眠いのは変わんねえけどな。
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想