A
朝起きたら無造作に置いてあった
変な色の 古びた掃除機
スイッチの近くに 汚い字の
注意書きが貼られてた

B
「嫌いなものを念じてください
 この掃除機が全部吸い込んであげます」
信じがたいけれど ワクワクして
数学の教科書に向けてノズルを翳した

※吸い込まれていく 大きさなど無視して
 おどろおどろしい 音をあげながら
 躍る鼓動 抑えながら 空を仰ぐ
 「みんな、みんな、消してあげるから」


A
その日からは毎日が早く過ぎた
大嫌いな何かが消えてく
理想郷を描き 吸い続ける
未来までもう待てない

B
ピーマン ムカデ 役人 天才
”消してください” 見えたものを念じるだけ
それだけの仕事 カンタンだね
王政も独裁も 僕にかかれば容易さ

※吸い込まれていく 何もかもが消えてく
 キレイキレイしよう ゴミはDeleteだ
 叶う希望 巡る理想 明日を目指す
 「みんな、みんな、消してあげるから」


C
なんでもかんでも軌道修正
いつでもどこでも僕は満足
マンネリ 飽和 訪れた倦怠
「もっと、吸い込まなきゃ……」


パワーをあげていく
パワーをあげていく Ah


※掃除機に伝う 溢れ出した願望
 「一番嫌いなものを吸い込んで」
 念じるだけ やがてカチリ スイッチオン
 「みんな、みんな、消してあげるから」

※気づけばノズルは 僕を向いていた
 おどろおどろしい 音をあげながら
 そうか僕が 嫌ったもの それは僕だ
 こんな僕が 嫌いだったんだ……

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まほうのそうじき

ひみつ道具的な感じで、少年に力を与えたらどうなるかを
想像して書きました。

閲覧数:85

投稿日:2014/06/02 13:20:19

文字数:644文字

カテゴリ:歌詞

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