マスター、マスター。
私だよ、帰ってきたんだよ。
――――――・・・・・・・・
そんな声を夜中に聞いた。
寝惚けていたから空耳かもしれないけど。
でもハッキリ言えるのはルシの寝言ではないという事。
翌日、マスターの部屋を物色していたら初音ミクの説明書が出てきた。
それを話したらめちゃくちゃ怒られたけど、マスターは懐かしそうに話をはじめた。
「お前らの前にな、僕もミクを持ってたんだよ。でも事情があって一年前に、そのミクは家出しちゃったんだ」
…正直驚いた。私たちが来る前にボーカロイドが居たなんて。
「でも、なんでそのミクは家出しちゃったんですか?」
「うーん…あまりにも下らな過ぎて、言えないなぁ…」
ガタガタッ
突然パソコンが揺れだした。
ルシが起きたのかと思い気にも留めてながったけど…
「マスターたっだいま!!さっきそこに美少年が寝てたから連れて来ちゃったけどデッサンモデルにしてもいいかな?!」
だっ…だれ…?
そこにはポニテ眼鏡の巨乳さんがいた。
「ヒク――!!!なんなんだいこいつは!!一体誰なんだい?!!」
しかもあろうことかルシを片腕に軽々と担いでいる。
「モ、モエ…?」
「そうだよマスター!モエが帰ってきたんですよ!!」
「でも、容姿が完全に別人なんだけど…あ、お前ネギどうしたんだよネギ!」
マスターたちの話を聞いている限り、この人が一年前家出したミクらしい。
…なんていうか、だいぶ豪快なお姉さんだ。
「ああ、あの姿は本当の私じゃないって思ったんだよね。直感かな?私って他のミクと少し違うところがあったじゃない?だから、少しでも私らしさが欲しかったっていうか…私だけのオリジナルになりたかったの。…まあ、ネギは今も好きだけどね。」
「・・・・。」
マスターの目が中を泳いでる。
びっくりしたのか…はたまた呆れたのか…。
でも、私たちとは別な形で亜種になったボーカロイドがいた事に少しカルチャーショック。
「声も少し違うでしょ?苦労したんだよねえ、自分だけの声色ってなんなのか考えまくったし。」
この人もしかしてすごい努力家なのかもしれない。
だってオリジナルになりたくて声色まで変えちゃったんだもの。
やりとりを見ているとなんとなく解る、この人は完璧を手に入れたんだ。
「だって低いほうが格好良くない?両声類タグとか付けられたいし。」
「…いや、ボカロに両声類タグ関係ないから」
「あ、そうなの?じゃいいか。それより私の同人誌とかってどこにしまってあるの?」
…ドウジンシ?
「てかさ、最近すっごーくあのアニメにハマってるんだよ!!絶対あいつとあの子ってデキてるよねえ。」
モエ、さんはアニメが好きなのかな…。
マスターがため息をついた。
「いいかヒク、あんな風になっちゃ駄目だぞ。」
「ちょっとマスターどういうことよ!二次元の何が悪いの?!ビバ美少年!!…あ、青年とかおじさんもね。」
マスターが小さな声で私の耳元で言った。
誰にでも欠点があると、彼女は腐女子だと。
うーん、腐女子?よくわからないからあとでググってみよう。
きっと悪い人じゃないよね?
「お前ええええ!!いい加減僕をおろせえええええ!!」
ルシの怒号が響いたのは彼女が来てからおよそ30分後だった。
【亜種注意】姉さんが帰ってきた【混音腐音】
うちのモエ姉さんが帰ってくるネタを思いついたので。
モエ姉さんは元々ミクだったんですけど、腐女子になっちゃって
自分好みにイメチェンしちゃった訳です。
ルシが放置されてるのは気にしないで下さい(酷
↓腐音モエ設定
http://piapro.jp/content/te2pk78gviz3z7dw
↓混音ルシ・ヒク設定
http://piapro.jp/content/90nqwee7ddag3yyu
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想