手をつないで駅まで歩く
ゴロゴロ後ろをついてくる君のキャリーケース
重たい荷物を半分持って一緒に歩く
またしばらく会えなくなるんだなぁ

お土産買って切符を買って
忙しい君の後ろで
君のとは違う小さな入場券をぼんやり眺めてる
これを買うのももう何回目だろう

ホームでふたり寄り添って話をした
優しい声で笑うから君の顔が見れないよ
いやだよ遠くに行かないで
言葉を飲み込んで君の手を握った

さよならじゃないんだって
またすぐに会えるって
強がって笑うたびに
そうじゃないでしょって
喉の奥がつんとした

鳴り響く発車のベル
君が私を見て笑った
唇が音のないやさしい言葉を紡ぐ
ふたりをつなぐしあわせな言葉

君とふたり手をつないで歩いたこの道を
今はひとり俯いて歩く
さっきまでは隣に居たのになぁ
君の温度がまだ左手に残ってる

家に帰ればまたいつもの日々に戻るから
ひとりでそっと涙を拭った
やさしい温度が触れた気がした