七つの天を突き抜け 過去
楽園と信じていた箇所から落とされた

何のせいだったか?
あるいは何のためだったか
いずれにせよ私には知る術もなく
預けられたのは言葉(ことのは)と白黒つかぬ役割だけだった

それから幾輪廻

預言通りに世俗から嫌われ
望んでもいない星周りに支配され
実らない献身と自己犠牲を繰り返して
破滅へと向かうことがこの身の意義だったと言うか

“アレルヤ 生ましめんかな”
“生ましめんかな、世界 アレルヤ”


英天(ヴァルハラ)は未だ遠く 巡礼(ガロ)
それでも忠誠を捨てない竜殺し

“何故戦うのですか?”
問いもせず疑いすらも忘れ
ヒトの感情も倫理も、必要ないでしょう
幾多の艱難(パッション)に刻まれ 痛みも消えた 今では

“天誅を”

幾多の異なる価値観を切り裂いて
命じられた病葉をこの手で摘み取って
気付かなかった、“救世主”たる自分も
いつの間にかそんな“悪”の血に染まっていたこと

“アレルヤ・・・世界”


どうしてこんなにも汚れてしまったのだろう
気付かないほど愚かだった自分が 憎くて 許せなくて
残されたたった一つの良心で
私は自分自身を裁くしかなかった

声はもう届かない 暗い闇の底で、一人
十字架に罪の証の赤いリボンで手足を繋ぐ
生まれる前よりも寒く深い静寂の中で
私は初めて世界を呪い、刃を首に当てた


そのとき 一枚の羽が 目の前に


“どうしてそんな預言に従い続けたのですか?”
“あなたが信じたものは果たして本当に神だったのか?”
“この世に真理と正義は一つだけだと あなたは知っていたはず”
“生きなさい 声を上げなさい だってあなたはまだ 目を開けてすらいないじゃありませんか”


地獄の七層の上にかかる細い蔦
逆さに吊った足も、全部幻で
懺悔を焼き尽くす焔も消え果てて、
あなたが優しく笑う、アドヴェント

“アレルヤ 生ましめんかな、世界 アレルヤ”

数えきれぬ罪に汚れた手も
消えない傷の残る頬も
まだぎこちない笑い方も
全部、愛してくれますか?

幾億の巡り来る星が
滲んだ視界に注いで

すべての縄縛と枷とを取り去って
すべての痛みも彼方に 押しやって
こんなにも光の溢れた世界に降り立って尚
泣いているのは、やはり
生まれ落ちたことが嬉しかったからです

“アレルヤ、アレルヤ 生ましめんかな 世界”
“幾度傷つきても 人の子を 偶(たま)さかの命を 巡れよ アレルヤ”


間違えた預言なんか、全部捨ててしまおう
私を生かすのは私なのだから

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

ADVENT

新革命シリーズスピンオフ作品(だからなんで本編より先にスピンオフなど作ってる)。「キボウノウタ」のリメイクというか、同じ時系列の作品です。

元になったのは聖書および原爆直後の街の様子を描いた「生ましめんかな」という詩。絶望の底でも命が生まれるということは、いつの時代でも希望なのだと思います。

閲覧数:113

投稿日:2014/06/27 01:18:13

文字数:1,066文字

カテゴリ:歌詞

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