言葉を手放した時点で
世界が初めて盲目に泣いた
良く在る或る綺麗事より
少なくとも恥は捨ててないから

歪(ゆが)んだ感情 歪(ひず)んだ音色
取り返そうか 使われないよう
「良い様に」そんな言い様に
言いくるめられた僕の息

人形劇の蓄音機から戯曲
騙る姿は人間に似た悪魔
紡がれる悲惨な終幕
操る指がほどけない
再演トラジック


言葉は醜く棄てられた
吐かれた罵声が耳に付いて
さて感情は何処へ遣った?
眩む視界で探し続ける

鮮明な症状 懸命な鼓動
波打つ心 檻の中足掻き
「才能を」そんな罪状を
僕に押し付けて嘲笑う

閉幕間際の客席から拍手
孤独に打ち勝ったその人が正義?
突然の悲惨な終幕
操る糸を切り離し
終演トラジック


拍手喝采 舞台の真ん中
踞るその悪魔は泣いていた
込み上げてくる 鈍い感情に
従って僕は手を差し伸べた


振りほどかれた手はやがて消えていき
残る形は僕によく似た人形
握り締め手向けた台詞
「僕らが悪魔だったんだね」
笑う 客(やつ)が嘲笑(わら)う
終演トラジック

無人のカーテンコール


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

トラジックステージ

とりあえず、僕らの片方が人形であらねばならないのは何故?――ないしょ。
さて、感情は何処へ遣った?――ないしょ。
そういえば、才能は何処へ遣った?――ないしょ。
それから、客席の彼は一体誰?――ないしょ。
けっきょく、ぼくはきみなのにどうしてねぇねぇどうしてぼくは――教えない。

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投稿日:2012/03/31 00:20:41

文字数:471文字

カテゴリ:歌詞

ブクマつながり

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