メイコはとにかくお酒が好きである
ちょっと目を離すとその手にはいつの間にか何かしらのお酒が握られている
もはやここまでくると、切ったら血の代わりにワインが出てくるんじゃないかと思うほどだ
まあ、別にそこは構わない
なぜそこまで飲んだ後にあれだけの歌が歌えるのかという疑問もまだいいとする
問題なのは、その酒癖の悪さなのである
「カーイトーきゅーん、ほらー、おいしいお酒でしゅよー?飲みましょ~ね~!」
「あ、あの、めーちゃん、そろそろ、げんか「ああん?あたしの酒が飲めねーっつうのか!?てめぇ」いえいえいえ!喜んでいただきます!いただかせてください!!」
「そーよねー!カイトくんはヘタレだもんねー!断らないわよねー!」
きゃらきゃらと笑いながらまたもやウイスキーを飲み干す
ご覧の通り、メイコは見事に絡み酒である
しかも、異様にお酒に強いので酔いつぶれることが無いという最悪なパターンの酔っ払いだ
この家で被害にあっているのは主にカイトだ
あとは、メイコのマネージャーであったり、ご近所のがくぽだったりするのだが、未成年者を巻き込まないくらいの理性は残っているらしい
まあ、酔いがピークに達すると未成年者たちにも被害が及ぶのだが
「だいったいさあ、あんたはヘタレだからろくな仕事がこないのよ!それともなに?いじめられて喜ぶ人種なの?だったら近づかないでくれない?うつるから。あはははは!」
「あ、あの、めーちゃん、マフラー引っ張られたら離れ、られな・・・っていうか、苦し・・・」
「あれ?なによもー、お酒無くなっちゃったじゃない!!カイト、あんたがガバガバ飲むからいけないのよ!?罰として奢んなさい!」
「え、ええええー・・・飲ませたの、めーちゃんじゃ「な・に・か・いっ・た?」いえなんでもありませんですはい」
「わかったらとっとと行ってきなさいよ!」
「はいはい、わかりましぐぉっ!」
カイトがコンビニに行こうと立ち上がった瞬間、もの凄い勢いでマフラーが引っ張られたため、カイトは後ろに後頭部から倒れ込んだ
「あ、あの、めーちゃん、何を・・・」
「あたしから逃げようったってそうはいかないわよ!」
「や、めーちゃんがお酒を買いに行けと」
「だって、あんたがいないとしゃべる相手がいなくて寂しいじゃない」
「え・・・」
そのまま、熱っぽい目でじっと見つめられ、カイトはどぎまぎしてしまう
メイコは、カイトの髪に手を伸ばして一言
「カイト、あんたの髪って・・・」
「め、めーちゃん」
「サラダにしたら、おいしそうね」
「ひぃっ!?」
そのまま、メイコはカイトににじりよっていく
「あ、あああああ、あの、めーちゃん!?め、目がマジなんですけど!!?」
「うーふーふー、ちょうど酒のつまみがほしかったのよ~」
「いやああああああ!!」
カイトは必死に逃げようとするも、メイコの力が強いのか、はたまたカイトが弱いのか、なかなか逃げ出せない
と、カイトはルカがこちらをじっと見ているのに気づいた
「ル、ルカ!助けて~!!」
「・・・死ねばいいのに」
「ええええぇぇぇ!!?」
その後、前髪をざっくりいかれたカイトはしばらくカツラ生活を余儀なくされるのだった
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