嘘をつくのは得意なんだ

でも、本音は少し苦手でさ

可笑しいね、いつだって

本当の咄が、一番嘘臭いんだよ




―夜咄ディセイブ―



ビバップな浮遊感。
夜が次第に、乱反射してきた。

僕、鹿野修哉。通称カノ は、夜の街を歩いていた。

右隣には、キド。
左隣には、セト。

皆、大切な"仲間"だ。

ツービートで光って。
・・・たまには、愚痴っちゃって良いかな?

「ハァ」

溜め息をつき、僕は欺く。

笑って、笑って、笑って。
心の中で泣いて。
それくらいがちょうどいいのかな。

「・・・ねぇ、セト。キド。」

発した言葉に、二人は僕の方を見る。

「なんだ?」
「どうしたんッスか?」

僕は念のため、もう一度欺く。
そして、とびきりの笑顔で言った。

「ちょっと喋ろうか!」

街が、僕の瞳の様に 赤く輝く。

「おう...?」
「いいッスよ!」


口角を、きもいくらいに上げて。

「僕の、妙なとこなんだけどね、」

さぁ、特別不思議な"咄"を―・・・。





いつからだっけ?
10年は経っていそうだな。
そんなのはどうでも いいか。

そう、ある日ね。
『怪物』の声がしたんだ。
怪物?なにそれ、アニメの見すぎだ。って、皆言うかもね。
まぁまぁ、落ち付いて。
僕の咄を聞いてよ。

それでね・・・、僕の心臓を飲み込んだんだ。

「嘘をつき続けろ」って、さ。

あぁ、思い出すだけで笑っちゃうな。
欺いてるんじゃないよ?本心で。

・・・それ以来、ね。
僕は嘘つきで。
騙せない人や、物も無くなっちゃったんだ。

そう。
あの"怪物"になり果てちゃった。



「カノ・・・、」
そこまで話した時、キドが僕を見た。

キドの目には、涙が溜まっていて。
今にもこぼれ出てきそうだ。
セトも、顔を歪めている。

「大丈夫、二人とも。」

キドの目から、ポロンと涙がこぼれた。

「・・・あぁ、ごめんね、泣かないで!」

まだ欺くか、この怪物が。
僕は心の中で、自分に毒を吐いた。

「全部法螺話だよ?」



僕は、汚い。
汚くて汚くて汚くて。
それでも、まだ欺く。
憎くて、醜くて、僕は僕が嫌い?

・・・なんて醜態。

僕はまた、笑って誤魔化す。
そう、僕は怪物だよ?

「この本心は、不気味じゃない?」

キドとセトに言った。
欺くのは、本当に辛いな。

「カノだから、平気だ。」
「そうッスね、怖くないッス!」

優しく、僕を包んでくれる。

なにに、なのに。
この怪物ときたら―・・・。
偽って、そっぽ向いて、嘘を重ねて。


「・・・ありがとー」

僕は今日もまた、徒然嘲笑う。




前編 * fin.

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

夜咄ディセイブ 【自己解釈・前編】

カノ・キド・セト!
この3人大好きです(´ω`*)
いや!メカクシ団の皆全員好きですけど!!((荒い鼻息

はい、夜咄ディセイブですね。
すっごいかっこよかったです!じんさん&しづさん最強!!!
って事で、小説書いてみました。
これは前編ですね!
中編、後編、と続くようです\(^q^)/

おっと、そろそろ時間だ。
また中編でお会いしましょう!←
では!!

閲覧数:4,737

投稿日:2013/02/27 19:58:55

文字数:1,131文字

カテゴリ:小説

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