「姿勢を正しましょう。いただきます」
学級委員長、巡音ルカの号令とともに給食タイム。今日のメニューはご飯、ネギとわかめと豆腐の味噌汁、野菜炒め、きゅうりとだいこんの漬け物、ピーチゼリーだ。早速大好きなネギの味噌汁に箸を突っ込む。
「ちょっ、ミク!それ口付けちゃったらカイト君と間接キス…」
「……ん!ひょっか!!」
ネギを摘んだ箸を口に入れて、リンに指摘された点を考え直した。カイト君は苦笑いして、気にしないとばかりに手をパタパタと振って見せた。さすがに中学三年生にもなったのだ、多少は異性にも躊躇いがあってもおかしくはないだろう。まぁ実際私もそういうことは気にしないのだが。
「なんでもいいけど、ピーマン俺の方にやらなくていいのか?」
「あ、いつもごめんね……私も食べられるようになりたいんだけど…」
カイト君に言われて、野菜炒めに入っていた大量のピーマンを彼の野菜炒めに流し込む。これで、彼の野菜炒めはピーマンの割合が5割以上になってしまった。<おいしいから>という理由は、異性を飛び越えてまで欲することになるのか。う~ん、疑問だ。
リンはカイト君の野菜炒めの惨状を流し目で見ていたが、カイト君も気にしている様子はなかった。
そう、これは。いつもの見慣れた一つの場面だから。突っ込む必要などない。
私には少し罪悪感というか何ともいえない感覚が体の中をかけ巡っていたのだが、別にカイト君はおいしそうでも、まずそうでもなく平然とピーマンを頬張っていた。
「あ、食べないんならそのネギの味噌汁私にちょーだい!」
「や、やめろ!これは最後に食うんだから!!」
私はちょっと冷めたこの場をほぐそうと、カイト君の味噌汁を横取りしようとした。
「なんだかんだいって、ミクも結構騒がしい娘だよね…」
リンが私の前の席で隣のメイコに話しかけていた。カイト君も私もリンたちも、みんな笑っていた。あれも、これも。きっと…

幸せな昼食はこのような感じだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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嫌いなピーマン③

閲覧数:142

投稿日:2010/08/01 11:26:42

文字数:820文字

カテゴリ:小説

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  • かたつむり

    かたつむり

    ご意見・ご感想

    餓鬼さん、はじめまして^^
    見てのとおり、すごい話・・・ですw
    原因は私にあるのですが、ごめんなさいorz
    それに無神経だなんて、思ってませんよ!・・・あ、すみません。なんか上から目線ですね><

    おお、中1!?同じです!^^よし、餓鬼さん!お友達になりましょう!!(((
    いきなり失礼しました・・・←

    2010/08/12 17:30:28

  • かたつむり

    かたつむり

    ご意見・ご感想

    不純です・・・。それでなぜ喜ぶか・・・。
    う~ん・・・。
    中学生になってから急に皆、(略)くなるんでしょうか・・・。
    会話によっちゃ、相手が「あれ、君って意外とえr・・・」「違いますって。」

    2010/08/03 14:37:07

  • かたつむり

    かたつむり

    ご意見・ご感想

    はい、なんか変わった用語(?)みたいなのを連発したりするんですよ。
    同じ班の男子も同様です。
    ・・・ある意味平和・・・なんでしょうか・・・。

    2010/08/03 14:25:57

    • 初音ミミック

      初音ミミック

      それって…不純なことばですよね…
      うちの学校でもありますよ…
      聞いたこともないような言葉を… で、男子はきゃっきゃとしてるんです。
      わからん…

      2010/08/03 14:31:03

  • かたつむり

    かたつむり

    ご意見・ご感想

    はいw
    男子は基本、全員・・・エr((
    なんです。^^;
    女子も半分くらい変態ですよ(笑)
    毎日お弁当のおかず見て反応するんです。隣の女子・・・。
    なんか、もう、最近の子には・・・ついていけません・・・。(汗)^^;

    2010/08/03 14:19:53

    • 初音ミミック

      初音ミミック

      おかず……
      そういう意味ですか…(‘σ(`´メ∂テヤッ
      いけませんねぇ…

      2010/08/03 14:21:18

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