<紅葉>
紅葉が風に香る季節です
君に書いた手紙 はじめの言葉
ずいぶん前のこと
淋しい秋がまた来ましたね
君が返した言葉 なくさないように
私は胸にしまった
風が運ぶのは言葉ではなくて
頬を染める赤い夕陽
秋が膨らむ坂道に二人
歩いた思い出は遠く
あの日私たちは無邪気でした
銀杏が並ぶ校庭 黄金の空
一瞬を生きていた
淋しい秋がまた来たのです
いつの間にか忘れていた 古い感情だけど
でもそれは消えてはいなかった
風が運んだのは心揺れる景色
街を染めた大きな夕日
君もどこかで見ているのなら
幸福であれと願います
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