「あなただけだ」って　みすぼらしい痩せた猫が鳴いたよ
振り向かないでね　裾にじゃれて離れられないから

擦り寄り甘えては　お腹出してみせて
可愛らしく笑え　愛も餌も足りないの

後ろ髪は持たない　尻尾は千切れていて
首輪は重いんだと　言いつつ見つめる

「あなただけだ」って　みすぼらしい痩せた猫が鳴いたよ
立ち止まらないで　大事なあの子のとこへ　急いで
「あなただけだ」って　聞こえたのは空耳まじりで
知っているでしょ　恩も愛もいずれ忘れるから

わかりやすく捨てて　空いた缶みたいに
ワガママな私は　飽いた餌もういらないの

寝床なんて持たない　鈴もわずらわしくて
首輪は想いなんだ？　それならいらない

「あなただけだ」って　みすぼらしい痩せた猫が鳴いたよ
ためらわないでね　その背　色づいた爪でひっかく
「あなただけだ」って　未練がまだ残る私　ヤるならヤって
あくびを添えて　つまらないありがとうを言うから

あなただけだった　薄汚れた私を抱いてくれた
目覚めて路地裏　野良猫は幸せの夢を見た
「あなただけだ」って泣き声を殺してニャーとおどけてみせた
どうかどうか　ね　幸せの現実の中へ
さよなら

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前verにひらがな表記の歌詞あります