朝の陽を感じた気がして私はふと目を覚ました
しかし辺りを見渡すと空は雲に覆われた世界

歩いていると一人のひとに出会う
私と同じ境遇のよう
灰色の世界で二人っきり

遠い地平線の彼方で鉄の塔が佇んでいた

電池も電気もないこの灰色の世界
太陽の光も届かない
見渡す限りの乗り物や機械たちは動く気配がない

私達はこの世界を知るために歩きまわった
行けるところへどこまでも行った

もう残るはあの鉄の塔だけ
過去を知る手がかりがあるだろう

鉄の塔へ行く私達
地平線追いかけてゆく
緑や草木達が僅かに
過去の面影残す
影が覆う川を渡り
野山を超えて
ここに辿り着いた
大地を見下ろす塔へ

ここは世界の情報が集結する場所だった
今はもうここは機能しないようだ
この世界の過去の痕跡はもうわからない
見上げた空はまだ暗い

灰が雪のように静かに舞い落ちる
何気ない日常をふと感じた
静寂がしばらく二人を包んだあと
ふと彼の方を向いた

彼は空を見上げたまま静かに目を閉じていた

電池も電気もないこの灰色の世界
太陽の光は届かない
見渡す限りの乗り物や機械たちは動く気配がない
機械たちはもう動かない
私はいつ止まるのだろう

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

アトムナヤ・ウィンター(仮)

核戦争後のショートストーリーな歌です。
電気もなく太陽光も届かず、文明が石器時代に逆戻りしたような世界。
そんなある日常にいる二人。

閲覧数:163

投稿日:2013/04/18 12:51:00

文字数:510文字

カテゴリ:歌詞

クリップボードにコピーしました