私はその光景を見て、驚きを隠せなかった。
いや、もしかしたら、恐怖と言ったほうが近かったかもしれない。
乾燥したその土地で見たそれはあまりに衝撃的だった。
この光景は見たことない人には分からない。
口では説明しきれないような恐ろしい光景である。
君はその光景を見たことはないだろう。
いや、本の上や新聞、テレビなどでなら一度は見たかもしれない。
私から見たら、それは地獄絵図よりも恐ろしかった。
人が骸骨のような姿をしているのだから。
もちろん、死体ではない。
普通に動いている。
そう、生きているのだ。
だが、姿はというと、骸骨に皮と眼球を足したようなものだ。
あまりのやせ具合に皮の上からでも腕の二本の骨、足の太い一本の骨、あばら骨、鎖骨、ありとあらゆる骨がくっきりと見える。
本当に肉という肉が確認できないほど……。
私は別にファンタジー世界のモンスターを言っているわけでも、空想上の新人類を言っているわけでもない。
現に今、2009年11月にも起きていることだ。
そう、それは社会問題にもなっている極度の貧困である。
もっと簡単に言えば、食料を満足に食べられない人。
つまり。
空腹
飢え
飢餓
あなたは本当に空腹を知らないだろう。
「あ~、おなかが減った」
と、学校で会社で、もしくは家で言うかもしれない。
「もう、朝食食べてないから、本当におなかが減りっぱなしだよ」
と言うかもしれない。
でも、それは本当に本当の空腹だろうか?
おそらく、私も含めてそれを経験した人は一人もいないだろう。
日本人では誰も経験したことがない。
あえて経験したことがある可能性がある日本人といえば、ホームレスだけだろう。
おなかが減ったとき、とたんにやる気がなくなる。
とにかく何か食べたくなる。
水でもいいからおなかに何か入れたい。
だから、机の上にあるお菓子を食べたりする。たとえ、食事前でも。
人間ならば極当たり前の行動。
私も同じである。
だが、少し考えてみよう。
もし空腹が毎日24時間365日続いたら?
彼らは乾燥地帯にいるので、水すらなかなか口にできない。
一度、二日間まったく何も食べず何も飲まないのをやってみれば彼らの気持ちが少しは分かるだろう。
食べたくても食べられないのがどれだけ苦しいのか少しは分かると思う。
そうそれが本当の飢えである。
今、世界で空腹に苦しんでいる人は数億人以上とも言われている。
そして、毎日25000人が空腹で亡くなっている。
2万5千人。
これがどれだけの数か実感がわくだろうか?
もし、これがひとつの街で起こっているとして考えれば、その恐ろしさが分かる。
沖縄県なら60日、京都府なら100日、北海道なら220日、大阪府なら350日、東京都でさえ500日で消えてしまうのだ。
もし、仮に25000人の餓死者が各国の人口に比例してその国で起きるなら、日本は一日に625人、飢えで死んでいることになる。
もしこんな事態ならば、連日ニュースで餓死者報道だろう。
そして、餓死者のうちの80%が子供らしい。
恐ろしい限りである。
だが、問題は決して地球上での人口過剰ではない。
実際、専門家は今の人口全員に十分な食料はあると言っている。
問題はそれが均等に分割されていないことである。
もっと分かりやすく言えば、先進国が使いすぎていることだ。
日本ももちろん変わらない。
コンビニ
食べ残し
特にコンビニが多いだろう。
毎日、果たして売り残れた賞味期限切れの食べ物がどれだけ捨てられている?
私も別に今すぐコンビニをすべて無くそうとしてるわけではない。
ただ、もう少し、食料を大切にすべきだと思う。
そして、少しでも世界に起きている問題を分かっていただけたらと思っている。
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d4043
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ぐぎぎぎ。都内だけで5000店以上のコンビニがあります。それら全てのお店で、おにぎり一個の廃棄が出たとして5000個。凄まじい量です。
私は24時間営業のファミレスでバイトをしていたことがありますが、ご飯の消費期限は8時間でした。それ以上過ぎれば容赦無く廃棄されます。昼間は問題ないのですが、特に客の入らない深夜の場合、朝方に捨てることになります。もちろんファミレスですので、それ以外のモノも。
すみません。私は、仕事の関係上、相当の罪を重ねています。
コンビニなどは豚の餌などにまわしてリサイクルしているところもあるようですが、軽んじて良い問題ではありません。
初音ミクというものを通じて、幅広い世代に現実社会の問題を提起する。普段、興味関心が無い人にも何かが伝わるかもしれません。
ピアプロにて熱く語るべきお話ではないですが、興味深いお話でしたので長々とコメントを付けさせてもらいました。
2010/04/04 22:54:53
ヘルケロ
長文ありがとうございます
とりあえず今の日本ではコンビニの24時間を無くすことも、品を減らすことも難しいかもしれません。
しかし、これを読んで少しでも「見えていない世界の現実」を知って、考えていただければと思います^^
2010/04/11 22:55:12