いつの間にか立ち止まると
その手そっと伸ばして
向かい風によろめく私の手を繋ぎ止めた
初めて知ったぬくもり纏う指と指 結んで
どんな道も二人でなら進めたよ

分かりやすい台詞も振る舞いも下手なあなたが
吹雪の中 守ってくれた あの日を
何度でも思い出しては胸に言い聞かせる
あなたのいない寒い部屋で

初雪が今年も街に降り注ぐ
埋もれてしまう色
一人きりで飛び出した モノクロの道

白く染まる世界から時間は零れ落ち
聞こえるはずない声に導かれ走る
雪をさらう風の中で幻追いかけて
繋いだ手のひらを思い出すのに
あなたはいない

いつの間にか我に返ると
凍え切った肩先
降り積もる塊 重たく濡れてた
まるで 今も心埋め尽くす記憶と
同じようなやるせなさで

あの日分けてくれたぬくもりだけでよかったはず
なんでその先を求めたの? 私
さよならすらない結末から
何度冬を迎えても色は褪せたまま

もしまた幻でも…
真っ先に駆け寄る人はあなた以外ないんだと
今もモノクロ見つめる

暗闇にのまれ溶けてしまうあなたの面影に
届くはずない右手を伸ばしてみたけど
雪の消えた夢の中に一人で立ち尽くす
ぬくもり奪い去る風がやんだ後に
残る傷跡

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いつのまにかたちどまると
そのてそおとのばして
むかいかぜによろめくわたしのてをつなぎとめた
はじめてしいたぬくもりまとうゆびとゆび むすんで
どんなみちもふたりでならすすめたよ

わかりやすいせりふもふるまいもへたなあなたが
ふぶきのなか まもおてくれた あのひを
なんどでもおもいだしてわむねにいいきかせる
あなたのいないさむいへやで

はつゆきがことしもまちにふりそそぐ
うもれてしまういろ
ひとりきりでとびだした ものくろのみち

しろくそまるせかいからじかんわこぼれおち
きこえるはずないこえにみちびかれはしる
ゆきをさらうかぜのなかでまぼろしおいかけて
つないだてのひらをおもいだすのに
あなたわいない

いつのまにかわれにかえると
こごえきいたゆびさき
ふりつもるかたまり おもたくぬれてた
まるで いまもこころうめつくすきおくと
おなじようなやるせなさで

あのひ分けてくれたぬくもりだけでよかあたはず
なんでそのさきをもとめたの わたし
さよならすらないけつまつから
なんどふゆをむかえてもいろわあせたまま

もしまたまぼろしでも
まあさきにかけよるひとわあなたいがいないんだと
いまもものくろみつめる

くらやみにのまれとけてしまうあなたのおもかげに
とどくはずないみぎてをのばしてみたけど
ゆきのきえたゆめのなかにひとりでたちつくす
ぬくもりうばいさるかぜがやんだあとに
のこるきずあと

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

モノクロの傷跡

つくし様の楽曲への応募作です。
https://piapro.jp/t/cZ78

冬系切ない曲ということで、雪の記憶と共に蘇る失恋の痛みをテーマに書きました。
一部文字数に自信がないため、合わない場合修正いたします。

閲覧数:206

投稿日:2023/01/10 07:37:54

文字数:1,135文字

カテゴリ:歌詞

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