-侵入者side-


「我はもうすぐ死ぬ」──…


そんなことを思いながら時計を見ると、時刻は午後11時45分を指していた。
午前0時まであと15分だ。


──このまま、逃げるか?


ふと、そんな一言が我の頭によぎる。
今、ここには、我以外誰もいない。逃げるには好都合だった。


──でも…


我は思わず拳を握る。


──運命に逆らってはいけない…!


たとえ、自分が死ぬことだとしても。



***



 -15分後-


我は、ゆっくり処刑台に立つ。
傍聴席に目をやると、そこには見知らぬ女性がいた。しなやかな黒髪が、妖艶な印象を与えている。


「被告人、こちらを見てください」


“美しき女性を嘗め回すような変態目線で見てる人”に見られてるかのような声で命令される。(仮説であってほしい)


我が向き直すのを確かめると、彼女はまるで人を殺すことをためらわない──無機質な声で、我の死を告げようとする。


「それでは、被告人ガモン=オクトを──」
「ゴメン、ゴメン。遅くなっちゃったよー」


彼女の言葉を遮り、部屋に入ってくる少女。年齢は14ぐらいだろうか。かなり背が小さく見える。


「──で、誰?これ」


いきなり人を「これ」呼ばわりするのも皮肉だが、言わないでおこう。


「彼は被告人よ。今から、地獄送りにするとこだったの」
「ふーん」


上辺だけの納得をしながら、我をまじまじと見つめる少女。
そして、ニヤリと笑う。


「ねぇ、『人形館長』……これ、無罪にしてもらってもいいかな?」
「それは、何故なの?」
「ちょうど、雑用係がほしかったからさー。これなら、ピッタリだと思わない?」


えええええええ!!!雑用係?!なんで?!っていうかまだ「これ」呼ばわり!!!


「それでもまだダメだというのなら、私にいい方法があるよ」
「…話だけ、聞いておこう」
「『ヴェノム・ソード』とかいう、変な剣があったじゃない?それの“代用品”にさせるのよ!──Maと 同じように!」


「ヴェノム・ソード」の“代用品”…?どういう意味だ?


「ね?いいアイディアだと思わない?」
「…わかった」


彼女は、くるりと我のほうに向き直し、槌を叩く。


「被告人、ガモン=オクト。『ヴェノム・ソード』の“代用品”として生きることを命じる。
 よって、判決───」


あぁ、我は救われたんだな。気まぐれ少女に、手を差し伸べられて。


「無罪」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【茶番カプリシオ】7.5、侵入者と救いの手【自己解釈】

がくぽが出てくると、ギャグが必ず入っているのは何故だろうか。


自分的に死刑の仕方はギロチン…←
おそらく、そのあとガモンは庭師ならぬ雑用係をやらされたんじゃないかと。
とりあえず、2番終わりました。 バンザーイ\(^0^)/←


[偉大なる本家]
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16017826

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投稿日:2012/02/02 19:49:58

文字数:1,043文字

カテゴリ:小説

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