蜃気楼　蒸暑　劣等抱いて
幻　爆ぜて　朽ちる
君の影を　探して

蝉の声も　静寂に
夏の午後　揺らぐ視界
黄昏　問いかける

あぁ　容赦ない　紫外線の雨に
打たれ　喉渇いて　旱
意識朦朧　浪々　堂々巡り

束の間の　風薫り　誘う
視線　逸らせない　背中
黒い猫　手招く　明晰夢

君は笑った　影法師　するり抜けてく　笑顔
刹那に　消える

蜃気楼　蒸暑　劣等抱いて　騒ぐ胸
暑さに　やられた　心　奪われ
止めて　止めないでよと
波打つ　本能　求めては　追いかける

あぁ　まやかしの　地平線が続く
何処　幾何の　輪廻
無窮灯篭　煌々　焦燥はなし

届かない　でも逸る　気持ち
抑え　効かなくて　狂う
ひらり靡く髪は　泡沫か？

君は笑った　影法師　僕の名前を　呼んだ
信じていた　僕は笑っていたよ　涙が　落ちる程

蜃気楼　蒸暑　劣等抱いて　騒ぐ胸
熱さに　やられた　心　奪われ
止めて　止めないでよと
波打つ　本能　求めるほど遠く

夏を背に
君は笑った　影はなし　するり抜けてく　笑顔
真夏が　宿る

蜃気楼　蒸暑　劣等抱いて　風は死に
路地裏　探せど　君にもう会えない

蜃気楼　蒸暑　劣等抱いて　囚われ
心は　今でも　あの夏に

蒸暑　劣等抱いて　騒ぐ胸
「出逢えた」　今年も　君を　待ってた
止めて　止めないでよと
波打つ　本能　求めては　追いかける