咲は窓の外を見ていた。
「あのカラスでかいなぁ。」
咲は思わず呟いた。きっと近くに来たら自分の顔の方が小さいだろう。
「赤羽。(2)を黒板に書け。」気付いたら川合先生がこっちを見ていた。
「はーい。」
咲は返事をした瞬間に後ろを振り返った。
「ねぇ。何ページ?」
「134ページ。ったくカラスなんか見てるから当たるんだよ。」
後ろの席の充が言った。
「違うもん。今日当たり日だし。」
「余裕だな。天才バカ。」
「天才でもバカでもなく、中間だし。」
「早く書いて来いよ。」
そう言って充は黒板を指差した。少しすねたような顔をして、咲は黒板に向かって歩いていった。いきなりドアが開き、担任の原西が覗きこみながら言った。
「赤羽 咲は?」
「ここです。」
咲は黒板の前で手を挙げた。
「あー急いで荷物まとめて、職員室へ来てくれ。」
そう言い残して原西は足早に去っていった。
「赤羽、お前何したの?」
「退学とか?」
クラスメイトが次々に話す。咲は何事か分からなかった。
「まぁ、校外でもかまってやるから安心しろ。」
充が立ちながら言った。顔がニヤニヤしている。
「退学か停学か分かんないし。てか、何もしてないし。」咲は思ったままのことを言った。本当に心当たりがない。
「ほれ。さっさと準備をしろ。」
川合は咲を急かした。

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### 第一章

この日から咲は変わる。

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投稿日:2009/12/13 18:24:55

文字数:561文字

カテゴリ:小説

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