ヤンデレ少年、ヤンデレ少女
~ルル~
僕は、ずっと不安だった。
「ララ」
「何?ルル」
君の瞳に移る僕は、一体何なのだろう。
「ララ、ララにとっての僕って何」
「私にとってのルル?勿論、決まってるじゃん!私のた~いせつな、弟だよ」
「そうなんだ・・・」
そう、ララから見れば、僕は弟。
いや、はたから見ても、僕は弟にしか見えないだろう。
でも、本当は違うんだ。
僕は、もう不要とみなされていい存在なんだ。
ララの本当の【弟】が見つかった今、僕は本当は要らないんだ。
なのに、何故、ララはまだ僕を此処に残しててくれる?
もう僕の事要らないくせに、ねえ、ララの本当を教えてよ、そうじゃないと、僕は、このままじゃ壊れちゃうよ?
「どうしたの?ルル」
「・・・なんでも・・・ない・・・」
「そう、なら、良かった。何か、思いつめたような顔してて、心配しちゃった」
「ねえ・・・ララ・・・。ララにとって・・・僕は居て欲しい存在なの?」
「うん、そうだよ」
「え」
「だって、大切な弟だもん」
「だって、弟には、あいつも居るし・・・」
「LENはLEN、ルルはルル。同じものなんて一つも無いよ。どんなに似てても、どんなに似せても。同じものは無いの。ほら、向こうでラルが呼んでる。行こう」
そう言って、ララは僕の手をとってマスターの所へ行った。
「有難う、ララ」
僕は、やっぱりララの事が大好きなんだ。
~リズナ~
まいますたー。りずなのあい。うけとめて。
「まいますた~~!!!」
「あ、リズナ。どうしたの?」
「まいますたー、だ~いすきっ!」
「うわ!い、いきなりどうしたの?」
「まいますたー、りずなのこと、きらい?」
「ううん、嫌いじゃないよ。で、どうしたの?」
「だって、まいますたーのところにどんどんあしゅがふえてるの、りずなのこともわすれないで!」
「・・・分かってるよ。リズナは寂しがりやさんだし。それに、リズナは私と出会うまで、【愛】を知らなかったんだよね?」
そう、りずなは、ずっと【あい】をしらなかったの。
でもね、まいますたーにであったことで、【あい】をしったの。
「うん!だから、まいますたーはりずなのすべてなの!」
「あ、そうだ。リズナ。今から、2人で出かける?」
まいますたーとふたりでおでかけ!
「うん!りずないくいく~!!!」
りずなは、ずっとまいますたーのこと、だ~いすきっ!
~哀歌~
私には罪があります。
「なあ、哀歌」
誰かが私を呼んでる。
「何ですか?」
ノイズがかった声が響く。
「哀歌、愛って、何だと思う?」
その問いに、私は過去に犯した過ちを思い返す。
「・・・愛は・・・とても、大切なものに間違いないんです。でも、私は、誰かを愛したせいで、誰かを殺めてしまった。でも、愛が欲しい。愛したい、誰かを。愛が無い、愛が無い」
「そうなのか、でも、何で、哀歌は哀歌の仕事をしないのか?」
誰かに聞かれて、私は黙る。
言いたくない。忘れたかった。あの子の様に。
「・・・・歌えないの。歌うと、もう声を発する事さえも出来なくなってしまうの」
「でも、歌う事を優先するのが、哀歌の仕事だろう?違うか?」
「違わない。でも、今のマスターが、私が歌えないのに、傍に置かせてくれるの」
「そうなのか、哀歌。今は、幸せなんだな」
そう言って、その声は消えた。
「・・・シュウキ・・・?」
私は、かつて愛した青年の名を言う。
私は、今、誰を愛すのでしょうか?
~忘歌~
忘歌には、何か忘れてる事があるの?
「ララちゃん!」
「あ、忘歌ちゃん。どうしたの?」
「忘歌もララちゃんのお手伝いするの!」
「あ、有難う」
忘歌は、ララちゃんの事が大好き!
ルルは苦手なの・・・。
「・・・!忘歌・・・」
「なに?」
ほら、噂をすれば何とやら、まあ、ララちゃんの近くに居るから当然だろうけど。
ルルのご登場。
「・・・」
無言でルルはその場から立ち去った。
「じゃ、じゃあ、忘歌ちゃん。朝ごはん作るから、手伝ってくれる?」
「うん!」
忘歌は誰かを愛するのが好き!
でも、忘歌には、何か忘れてる事があるみたいなの。
誰も言わない。だから、忘歌はあえて聴かないようにしてるの。
「♪~♪♪~♪~」
何か聴こえる。
「何?これ」
「それは・・・」
ララちゃんは言うのを躊躇ってるみたい。
「・・・歌っていうの・・・」
「へえ、あれが歌・・・」
その時
「ううっっっ!!!うわあああああああああああ!!!」
激しい頭痛が私を襲った。
「忘歌ちゃん!やっぱり・・・」
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!」
「忘歌ちゃん!しっかりして!」
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「目が、覚めた?」
目が覚めると、前にララちゃんが居た。
「うわ!ぼ、忘歌ちゃん?」
忘歌はララちゃんに抱きついた。
「忘歌、ずうっとね、ララちゃんの事。大好きだよ」
忘歌の記憶には、何かぽっかり空いてる。
さっき、何して倒れたんだっけ?まあいいや。
忘歌は、ただ愛するだけ。
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