一歩外にでれば、そこはやはり日曜日。
親子連れや派手なギャルも居れば、普通にそこら辺を歩いてる人やカップルも居る。
私はチラッとレンの顔を横目で見た。
なんかそわそわしてて、頬なんて真っ赤だ。ふと手を見てみる。
そこには手を繋げず私の手の周りを動いている、レンの手があった。
……もしかして手、繋ぎたいわけ?
どうせなら……
「ちょっと、レン」
「ん?」
レンは私の方を見る。私は小悪魔的に笑って、ギュッと手を繋いだまま言った。
「どうせならお姫様抱っこしてよ!」
レンは案の定動揺して顔をタコの様に真っ赤にしている。
「はっ……!?無理に決まってんだろ!」
私はその様子についニヤニヤしてしまう。
別に、わがままなんて言ってないんだから……
私は世界で一番お姫様なの!
キミの目に…ねえねえ、わたしはちゃんと映ってる?
「レンと私は、2人で一人なんだからね?」
私は他の女の子に視線を向けているレンに、声のトーンを低くして言う。レンがダラダラ汗を流しているのが分かった。
ギギギ……
私は手が千切れるくらいに、手を繋ぐ力を強めた。
「離れるような真似したら、怒るから」
「ちょ、リ……いでででででで!」
レンが悲鳴を上げる。それでも私は握る力を弱めない。
「舗装するわよ☆」
* * * *
私とレンはカフェで休憩することになった。
最近出来たおしゃれなカフェ。私は少しの間は食べ物を頼まないまま、ジーッとレンを見つめた。
レンはチョコバナナパフェを頼んで食べている。すると突然レンが「リンってさぁ……」と切り出してきた。
「ほんと欠点多いよな」
「レンの方が多いでしょ」
私はかちんときてつい売り言葉に買い言葉の状況になってしまう。
レンは「おい」と不機嫌そうに声のトーンを低めた。
「レンはケンカ腰の日も有るじゃない。てゆーか今」
私はクルクルと毛先を指に巻きつけながら言う。レンは「パフェ返してくる」とぶっきらぼうに言って席を立った。
レンが席を立った後、私ははあと溜息をついた。
ああ、なんで私は素直になれないんだろう……。
いつも後悔ばかり。シュンとしていると、突然男の人が現れた。
「君、可愛いね」
良く見ると、背後に2人くらい別の男の人がいる。
雰囲気からしてあまりよくない。私の心に恐怖が過ぎった。
「な、なんですか?」
私は少し後ずさりする。すると、一人の男の人が腕を掴んできた。
「俺達と遊ばない?」
後ろの2人も、私の手を掴んでいる男の人もニヤニヤと嫌な笑顔を浮かべている。やだ……怖い……
「レンッ……」
私は怖くなってつい小さく叫んだ。すると……
「お前、人の彼女になにしてるわけ?」
私は瞑っていた目をそっと開けた。
私の腕を掴んでいる人へと、レンが睨んでいる。
男は「彼氏持ちかよ」と小さく舌打ちをしていた。
レンはガッと男の胸倉を掴む。
「傷つけたら許さねえからな!」
レンは男達にケンカを売った。もちろん、レンに体を張ったケンカの経験なんて無い。当然フルボッコだ。
「レン、レン!」
多分私、涙声だ。レンの頬の傷に触れる。レンは少し痛そうに顔を歪めたけど、「大丈夫」と私の手を自分の手でそっと取り払った。
「……レンって、時々無茶する」
「当たり前だろ」
「時々無茶するのは、やめて…」
そういうと、レンは私の頭を撫でてきた。レンは小悪魔風に笑う。
「心配してくれてるわけ?」
「べっ、べ別にっ!心配するとかっ、そんなんじゃない!!」
ああ、また私は……。
また自己嫌悪の道に陥ってしまう。何で素直になれないんだろう。
でもレンは、そんな私の頭を黙って撫で続けてくれていた。
レンは分かってる?
ナイトとかそんなのいいから私を見てね?
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