#6



月曜日、私はミクをUSBメモリに移し、いつもより早めに出社した

そして、自分の仕事用のパソコンにUSBメモリを差し込む

USBメモリが読み込まれると、画面の右下に小さくミクがあらわれた


【マスター!見えますか?】


ミクは文字だけで私に話しかけた

会社では声を出さないというのが、約束だったからだ


【うん、ばっちりだよ】


私も文字で返事をした


【ここがマスターの会社のパソコンですか…すごく難しそうなデータがいっぱいですね】

【そりゃそうでしょ…会社のなんだから…】


ミクがパソコン内をうろうろする


【ちょっと!あまりうろちょろしないで!】

「先輩、おはようございます」

「え?!あ、おはよう」


後ろから、あの後輩があらわれた

私は慌ててパソコンを隠す


「?……何をしているんですか?」

「あ、いや…なんでもないのよ…ちょっと、パソコンの配線をチェックしてただけで…あはは」

「そうですか…今日もがんばりましょう!」


そういって、彼女は自分の席に向かっていった

ふぅ……やっぱり、ミクを連れてきたのは間違いだったかなと少し後悔した

いくらマスコットのフリをしているとはいえ、会社のパソコンにそういうのは良くない

私はミクに「USBメモリにもどって」と言おうとして、画面を見た

しかし、ミクの姿がない…


「あれ?どこにいったのかな?見つからないようにUSBメモリに帰ったのかな?」


私は特に気にもしないで、いつも通りの業務をおこなった








ミクは昼になっても姿が見えなかった

私は少し不安になりつつも、昼食を取りに席を立った


「あ、どうも、お疲れ様です」


そして、廊下で、いつぞやの同期の同僚と出会った


「お疲れ様です。今日は鼻歌歌ってませんね」

「ははは…勘弁してください。そのことはもう忘れてくださいよ」


私は苦笑いをうかべた


「ははは…失礼。でも、あの曲、よかったですよ!なんて曲なんですか?」

「あ…あれは…その…私が音大の学生の時に考えてた曲で…」

「オリジナルですか!?すごいですね!」


彼のその妙にさわやかな感じが、なぜか鼻につく


「どうです?その曲のことを、僕に語ってくれませんか?お昼はおごりますよ?」

「あ、いえ…そんなに語ることなんてないですし…」


ちょっと今日の彼はしつこい

少しからかってやろうか…


「そういわずにどうですか?美味しいおそば屋さんが近くに出来たんですよ」

「ふふふ…今日は随分と積極的ですね。もしかして、私に気があります?……なんて、そんなわけないか。では、失礼します」


私はそういって、その場を立ち去ろうとした


「……そうです」

「え?」


彼が何かを言った


「僕…実は前々から…あなたのことが…気になっていたんです」


ええええ!まずい!!ほんとにそうだったの?!


「ご、ごめんなさい!今日は仕事がいっぱいなので…失礼します!」


私は顔を真っ赤にしながら、その場から逃げだした


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

初音ミクという名のソフトウェア#6

お手軽にお出かけもできるなんてすごいね~www

しかし、まさかの展開ww
てか、お前だれだ!状態ですねww

閲覧数:160

投稿日:2012/04/06 00:01:19

文字数:1,299文字

カテゴリ:小説

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  • Turndog~ターンドッグ~

    Turndog~ターンドッグ~

    ご意見・ご感想

    USBミク♪…ってそんな感じのイラストをどこかで見たような…www

    この展開は波乱の予感!!…ん?ありきたりな反応?www

    2012/04/06 23:45:15

    • しるる

      しるる

      USBミク……お持ち帰りも簡単だね!!!www


      波乱は、やってくるのか!? はたして!!! どーん!!

      2012/04/06 23:51:26

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