[1A]
春の庭に綿毛が舞い込む
些細な出来事
いつも君は景色を切り取り
大事にしてくれた

[1B]
陽だまりでうたた寝して
夕空に羽ばたく小鳥と歌声

[1S]
せーので君と踏み出した明日は
雲の向こうへ続いていたんだ
ふいに引き止めるような
香りが鼻をくすぐる
天使の隠れんぼ

[2A]
窓の外へ儚く舞い散る
二人の日常
白の部屋は余計に広くて
一人じゃくすんでく

[2B]
新しい場所へ行くと
星空を見つめる知らない横顔

[2S]
ノートの端に“寂しい”と記した
文字はいつしか伝えられなくて
そんな君のことだから
たくさん我慢してたね
綺麗な雨が降る

[LS]
もうすぐ空に太陽が覗いて
あの日のように世界が煌めく
だからここで見送るよ
次へと僕らを急かす
光の道しるべ

▽かな

[1A]
はるのにわに
わたげがまいこむ
ささいなできごと

いつもきみは
けしきをきりとり
だいじにしてくれた

[1B]
ひだまりで
うたたねして
ゆうぞらに
はばたく
ことりとうたごえ

[1S]
せーので
きみとふみだした
あしたは
くものむこうへ
つづいていたんだ

ふいに
ひきとめるような
かおりが
はなをくすぐる
てんしのかくれんぼ

[2A]
まどのそとへ
はかなくまいちる
ふたりのにちじょう

しろのへやは
よけいにひろくて
ひとりじゃくすんでく

[2B]
あたらしい
ばしょへいくと
ほしぞらを
みつめる
しらないよこがお

[2S]
のーとの
はしにさみしいと
しるした
もじはいつしか
つたえられなくて

そんな
きみのことだから
たくさん
がまんしてたね
きれいなあめがふる

[LS]
もうすぐ
そらにたいようが
のぞいて
あのひのように
せかいがきらめく

だから
ここでみおくるよ
つぎへと
ぼくらをせかす
ひかりのみちしるべ