ゆきみ

[A]
少し焦げたトーストを
口に運んで欠伸をひとつ
君がくれた何気ない
言葉は僕の一部だった
[B]
むかし砂に描いた
綺麗な夢は夢のままで
緑色を揺らした
無邪気な風が心を叩く...

[A]
ふたり揺られてる電車の中
話したいことは尽きないのに
君が見てるのは窓の向こうで
すこし寂しいなぁ
[B]
「真逆の性格」と みんな笑ってるけど
そんな、もしかして君への想いは片道なの！？
[S]
小麦色のチケット　風が誘う停車駅...

[1A]
土曜日の雨音　捨てた月曜　滴る水曜
どこまでも一緒に行けると思い込んでた
[1B]
そばにいるほど　つい傷付けてしまうから
失くさないように　大事なものお互い隠していたね
[1S]
僕を浚う雫　真ん中に巣くう笑顔　君は知らないで
開けたままの蛇口　色褪せたシャツの染みを洗うみたいに
心ごと...

[1A]
春の庭に綿毛が舞い込む
些細な出来事
いつも君は景色を切り取り
大事にしてくれた
[1B]
陽だまりでうたた寝して
夕空に羽ばたく小鳥と歌声
[1S]
せーので君と踏み出した明日は...

[1A]
「どれにする？」並ぶカード
脳内でコインを弾く
街灯が瞬くたび
結末は色を変えてゆく
微笑んで手招きする
その顔は表か裏か
手のひらを曝す前に
消えそうな心を見抜いてよ
[1S]...

[1A]
誇らしげな翼を仰ぐ　光の輪が眩しい
その背中を越えてくことに　捉われていた
誰でもない自分を探す　夢の道で彷徨い
背伸びしても姿は遥か
[1B]
真実を拒むような向かい風
譲れない理由を突きつけて
白黒つけようか
[1S]...

いま　動き出す　小さな歯車
月影に照らされて
ああ　震えてる　夜風の調べに
唇を開く
滲んだ
アイシャドウ　歩道橋
可愛げのある子
手放して　引き寄せて
我が儘に変わるだけ
街角の　ガラス越し...

バニラの香りがすべてを包む
仮初めの恋を空へ溶かした
優しい温度に気づきもしない
君はこんな僕でもいいと言うの？
毛布にくるまり寝息をたてる
前髪に触れて確かめていた
愛しい気持ちは出口を閉ざす
どれが君の幸せなのだろうか
ほら、ごまかすことなんかできない
深く証を刻みつけて...

はららはらら　鳴かぬ彼の鳥
独りぼっちだねと
語りかける　声は虚しく
朱い山の向こう消えた
麗らかな午後　足はそぞろ
少しだけ　寄り道した
離れてても　すぐに気付く
ふわりと風まとう　茶色の髪
密かな想いは　行き場のないまま
それが苦しくて...

[1A]
埃だらけの教室　日を遮るように
内緒話が咲き乱れる
弾き飛ばした机　平気な顔してさ
君は微かに震えていた
[1B]
誰が好きで嫌いだとか
その後には何が残るの？
[1S]
しょげた葉の上に　雨粒がポツリ...

[1A]
指先を掠めて遠ざかる面影
暁と醒めては　その度に
戻らぬ日々が溢れ出す
[1S]
契りが今　鎖になる
夢幻へ誘う薔薇の庭
綺麗に舞い　貴方は逝く
片翅千切れた私を残して
[2A]...

白い線だけを踏んで歩く　朝の交差点
憂鬱な黒い排気ガスが　スカートに染み渡る
君の前でさえ嘘の笑顔　上手く使い分け
本当の気持ちは　カバン奥底へ詰め込んだ
カタチなき首輪つけて
君が好む犬にもなる
歯がゆさ潜め待つわ
愛のマテとヨシの合図
どうか　振り向いてください
今日も心は軋むだけで...

真っ白な道にひびく
みんなの笑い声
遠くで聞いていた
マフラーに顔をうずめ
寂しさ隠すよう
自然と目をふせる

気づけばいつの間にか
近くに君の顔
交わってく吐息...

築きあげた世界が　崩れてゆく
偽りだけ残るならば
意気地なしな　わたしを壊して
優しいあなたのこと　嫌いになれるよう

まあるい目瞬く子猫のパレード
甘えた声あげて
可愛らしいあの子とトレード

こんなわたしでも　ひとつ...