さて、急ピッチですが、行きます!
※注意
・カイメイ風味があります。・時代設定が、若干ズボラです。
・あくまで、私の想像です。キャラクターイメージが違う、というところがあるかもしれません。
・KAITO→海斗、MEIKO→芽衣子、となっています。
・自己設定の、架空のものが出てきます(例えば、妖怪だとか)。
以上のことが、OK!という方だけお読みください。
「もうすぐ‥会えるんだ‥‥!」
期待に胸をふくらませ、石段を一心不乱に駆け上る海斗の視界に、神社の踊り子・舞姫の衣装に身を包んだ芽衣子の姿が入った。
「‥めーちゃん‥‥っ!!」
やっとの思いで神社に着き、海斗は彼女の名を呼んだ。
淡い橙色の提灯(ちょうちん)が、ほのかな光を見せ、鮮やかな紅の花のかんざしが、しゃらん、と揺れる。
「かい‥と‥‥?」
海斗の声に、くるっと、見返り気味に振り返る芽衣子。
「ほ‥ほんとに‥めーちゃんだよな‥‥?見間違いじゃないよな‥‥ほんとに‥‥」
「なに言ってるの?私が、咲音芽衣子以外の誰に見える?」
ふぅっとため息をついて、彼女は、海斗に、ふっと微笑みかけて見せた。
「じゃ‥じゃあ‥‥ほんとに──」
「ええ、海斗。正真正銘、あんたの知ってる芽衣子、張本人よ!」
その言葉を聞いた海斗の表情が、ぱぁっと明るくなる。
「‥ったく‥すごいわねぇ、あんたも。私でも分からなくなるような暗号を、たった二日で──」
芽衣子がそう言いかけたとき、海斗は、
「めーちゃぁんっ!!」
「ちょっ‥か、海斗‥‥!?」
トンッと地面を蹴り、芽衣子に飛びつくと、思いっ切り、ぎゅぅっと抱きついたのだ。
「‥な、なにしてんの、あんた‥///!!」
芽衣子も芽衣子で、真っ赤になって、なんとか海斗を振り払おうとしたのだが──。
「えへへ‥めーちゃんだぁ‥本物の‥めーちゃん‥‥!」
「‥‥海斗‥‥」
海斗の、本当に嬉しそうで、子供のように無邪気な笑みを見た瞬間、そんな気はどこかへ行ってしまった。
──ま、今日はさすがにいいか‥‥。
はぁっとため息をついて、やれやれ‥とあきれていると、何の前触れも無く、
「めーちゃん」
海斗が、芽衣子を解放し、真っ直ぐな目で彼女を見つめた。
「な、なによ‥‥?」
突然の行動に、若干戸惑い気味の芽衣子。そんな彼女に関わらず、海斗は更に続ける。
「僕は、めーちゃんに言いたいことが2つあるんだ」
──‥これだけは言わないと、気が済まない。いや、無視できるようなことじゃないから‥‥。
「めーちゃん、ごめんね‥」
そうつぶやくと、突然、芽衣子の頬を引っ叩いた海斗。
「‥え‥‥?」
「めーちゃんのバカ!!どれだけ心配したと思ってんのさ?心配したんだからな!」
そう言った海斗の瞳は、大粒の涙で溢れ返っていた‥‥。
「黙っていなくなったりしないでよ‥‥!自分から消えたんじゃないにしても、注意ぐらいしとかないとダメじゃないか!」
「‥海‥斗‥‥」
「知らない所じゃ、あまりうろうろしちゃダメだって前にも言っただろ?」
「‥‥‥」
「みんなに理由を言えなんて事は言わないよ?でもね、僕にぐらいは教えなよ!僕は、めーちゃんの友達じゃなかったの?」
「‥でも‥‥」
「でも、じゃない!!」
芽衣子の言葉を、強く制す海斗。あとからきた双子も、その様子を影から見ていた。
「なんでも言えるのが‥友達ってもんじゃないの‥‥?」
海斗は、そう言って、ぐっと涙をぬぐうと、自分をじっと見つめている芽衣子を、優しく引き寄せ、ぎゅっと抱きしめた。
「もう‥どっかに消えないでよ‥‥」
最初は芽衣子も驚いたものの、その言葉に、静かにうなずき、
「‥ごめんなさい‥‥」
とだけつぶやいて、涙を流した。
「‥めーちゃんのバカ‥‥めーちゃんが泣いたら意味が無いじゃん‥‥」
海斗は、ため息混じりにそうつぶやくと、すぐに彼女を離し、芽衣子の頬に、そっと触れた‥‥。
「‥ごめんね‥痛‥かった‥‥?」
不安そうな海斗の声に、くすっと笑った芽衣子。
「ううん。ビンタしてきたり‥私に強く怒鳴ったり‥海斗も、私がいない間に、随分と成長したのね」
「え!そ、そうかな?自覚は無いけど‥‥」
「そうよ!言葉遣いも男らしくなったし、私に対しても強く反論できるようになったし‥もう、びっくりしちゃった^^;」
ぺろっと舌を出して笑う芽衣子。
「‥ねぇ‥めーちゃん‥その‥もしよかったら‥‥聞いてほしいことがあるんだけど‥‥」
「ん?なぁに?言って御覧なさい?」
はじめは言葉を詰まらせていたものの、すぐに、はたっと、決意したように顔を上げた。
「僕、今回のことで、自分が不甲斐なかったと思ってるし、反省もしてる。僕には家族がいるけど、めーちゃんにはいない」
なんら関連の無い言葉を、つらつらと並べる海斗。
「ちょっ‥一体何が言いたいの?はっきりしないと聞いてあげないわよ?」
そう余裕で構えていた芽衣子も、次の彼の言葉で一気に緊張の糸が張り詰めることになる。
「めーちゃん、いや、芽衣子さん」
「は、はい‥?」
「だから、君を守る人がいない分、これからは、僕が、一生君を傍で守っていきます」
今まで彼が見せてきた、どんなときよりも、真っ直ぐで強い瞳。決意の強さに満ちた目‥‥。
「な‥なんで‥‥」
「だって、めーちゃんは‥僕の大切な人だから‥僕が‥一生かけてでも守りたいんだ」
──おおーっ!海斗って度胸ある!(鏡音姉弟)
「どうか、僕を、傍にいさせてください、芽衣子さん」
その言葉に、芽衣子は、ん?と何かが引っかかり、ちょっと待てよ?となった。
──ということは‥一生傍で守る→ずっと私といる→私は大切な人→傍にいさせてほしい‥となるわけだから‥‥。
「えぇーっ!!ちょっ‥!それってまさか‥‥!」
「僕じゃ、不足かな?」
「い、いや、不足ってことは‥そんな滅相も無いけど‥でも‥‥!」
鏡音姉弟は首をかしげていたが、芽衣子は、さっきまで海斗の言ったことが意味するものを理解していた。
「‥だめ‥かな‥?父さんと母さんにも話したから‥あとはめーちゃんさえ良ければ‥‥」
──‥そ‥それは‥結婚の申し込み‥‥(芽衣子)。
この時代、親の了承さえあれば、別に15,16で婚約をすることも珍しくはなかった。
海斗も芽衣子も、そのことを知っていたのだ。
「か‥考えさせて‥くれる‥?」
その言葉を聞いた海斗の不安そうな表情が、一気に晴れる。
「う、うん!」
そう返事をしたとき、蓮と鈴が出てきて、2人を交互に見つめた後、
蓮「ヒューヒュー!!海斗、意外とやるじゃん!」
海斗「へ、へぇっ‥///!?」
鈴「へぇ~‥海斗の友達、結構美人さんじゃないのぉ?あんたって、なんていう子?」
芽衣子「え?私は芽衣子だけど‥あなたは?」
蓮と鈴の言葉に、芽衣子と海斗が戸惑い、反論できないでいるそのときだった。
「はいはい、楽しそうなところ悪いけどいいかな?」
突然、紫色の髪を1つ結いをした侍姿の男が、芽衣子の後ろに歩み寄った。
「どうも、初めまして」
その青年は、ふっと海斗に微笑んだ。
コメント1
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ゆるりー
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ご意見・ご感想
enarin
ご意見・ご感想
今晩は!、続き、拝読させていただきました!。
とりあえず、めーちゃんの失踪関係は、1セクション終わりましたね。まさか最後に、”僕と同じ家族になってください”(たぶん”結婚”ではなく、養子(?)のように”1つの家族”になる、そういう意味で海斗君は言ったんだと思いますが)で、解決するとは。
でも、今回、海斗がめーちゃんにビンタした(ボカロ設定では3倍返しされると思うけど)のは、いいことだと思います。こういう時の海斗の気持ち、よく解ります。何も告げられずに大切な人がいなくなるのは、正直しんどいはずです。
さて、最後の最後で、”エッグプラント(egg plant)紫侍”さんが出てきましたね~♪。楽しい展開に期待してます~♪。
ではでは~♪
2010/04/25 21:15:58
愛夢☆ソライト
>enarinさん
おはようございます、ご拝読ありがとうございました!
3倍返し‥確かにボカロ設定だと、そうなりかねませんね^^;でも、それだと海斗君があまりに哀れすぎるので、さすがにやめておきました^^
そして、『傍で守る』発言。発言せずとも、海斗は芽衣子を今まで守って来たんですけどね?まぁ、一種のけじめのような、頼りがいのある発言をさせました。芽衣子さん1人で、なんか勘違いしちゃってますが^^;
さてさて、セッション終わり、で済むと思っていたら展開!謎の侍が出てきました!紫色の髪の‥って言ったらもう誰か分かりますね;;
それでは、乞うご期待!!近いうちに投稿させていただきます!
2010/04/29 06:12:41