レンに頼み、私と彼は入れ替わった。
幸い顔は瓜二つ。入れ替わっても誰も気付かない。問題は、彼の演技力。でも、それも心配はなかった。元々彼はそのために仕込まれていたのか、まるで私のように・・・王座で無表情で座っていた。
フードを被り、城下町を歩き出す。
ふと、目に付いたのは綺麗な花だった。でも、どこかで見たような気がして、つい近くまで寄っていっていた。
「あ、いらっしゃいませ!」
すると突然、声をかけられて驚く。
そっか・・・そうよね。お店には働く人がいて、その人は売る事が商売。だから話しかけてくるのは当たり前なんだ。
「あの、この花・・・」
「お客さん、お目が高いですね!その花、珍しいでしょ?」
キラキラと笑う緑髪の彼女の笑顔が眩しくて、ついフードを深く被ってしまう。この人には、表情のない私の顔を見せたくなかった。
「久しぶりね、ミク♪」
「めーちゃん!」
「あら・・・可愛いお客さんね・・・でも」
いきなりフードを乱暴に奪われてしまい、私は黄髪と共に顔をさらけ出す。驚いた。こんな事をする人間が世の中にいるなんて。
「人前でフード被ってると、悪い子になっちゃうわよ?」
「お客さんに何てことするの、めーちゃん!」
「ほら、前向いて。あんた、男の子でしょ?」
背中を叩いて去っていった彼女の言葉に気が付いた。
周りを見てみれば、フードを被ってキョロキョロしてる人は、私だけ。そうか。堂々と顔を見せて歩き回っていいんだ、今は。ちょっと嬉しくなった。
「この花・・・あの湖の畔に咲いてる花、だよね?」
「・・・みんなには内緒だよ?」
唇に人差し指を当てて微笑む彼女を見て、羨ましいと思った。こんな風に笑える日が、私にも来るのかな。そう考えると、少し悲しくなる。
「・・・うん、僕達の秘密だね」
こんな風に、"他人"になりきって色々な表情は"作れる"んだけどな。心の底から笑ったり怒ったり・・・自分の感情で表情を出すことが出来なくなってしまって、私は『人間』なのかしら。
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