#4「敵意」



その日、結局……アイツは来なかった


「きっと、何か用事が出来たんだよ……仕方ないよ」


笑ってそういったグミの顔は、どこか寂しそうだった



私は家に入るなり、アイツの部屋のドアを蹴飛ばして中に入る

すると、ソイツは椅子から転げ落ち、ものすごく驚いた表情で音のした方……つまり、私を見る


「び、びっくりした……」


ソイツは、ほとんど声にならない声でそう言った


「……え、あれ……あ、もしかして……いままで待ってた?」


倒れた椅子の陰から、ソイツは、はっとしたように言った


「待ってたわよ……グミが……」


私はソイツの顔を見ない、見たらムカつくあまり、殴ってしまいそうだったから


「ご、ごめん!他の部活からの助っ人、急に頼まれて……終わった後、行こうと思ったんだけど、今日はもう遅いから、さすがに残ってないだろうなって思って……」


そういって謝っているコイツ、実は見かけによらず運動能力は高い

しかし、どこの部活にも入っていないので、あっちこっちの部活から勧誘がてらに助っ人をよく頼まれているらしい


「だったらなんで、連絡しないの!メールくらいしたら?」

「それが……今日、携帯を家に忘れちゃって……ごめん、明日は行くよ」

「当たり前でしょ!ばかっ!」


ガンっと音を立てて扉を閉めて、ソイツの部屋を後にした

ほんっと、頭にくる

負けない!負けたくない!あんなやつに!

グミは……絶対にわたさない!










翌日、グミはいつも通り「おはよう」といってくれた

いつも通りのまぶしいほどの笑顔、私はこの笑顔が好きだ


私は今日、部室にアイツが来るということを伝えなかった

またアイツが来ないという可能性がないとも言い切れない

昨日のような寂しそうな顔は……いろんな意味で見たくない



放課後になって、いつものように部室には私とグミの二人

二人っきりの時間……

私はやることなくて、本を読んだり、外を眺めたりしているだけ

グミはいつも何かを作っている、今日は手袋のようなものをつくっていた

そんな、なんでもない時間が私にとっては幸せだった


「手袋つくってるの?」


私がグミにわかりきったことをきく


「うん、そうだよ。最近、寒くなってきたしね。もう北の方では雪降ったんだって」

「へぇ?ニュースでやってたの?」


私のどうでもいい質問に「うん」と笑顔で答えてくれたグミ


「この手袋、出来たら、リンちゃんにあげるね?」

「ほんと!ありがとう!!」


私はとても嬉しかった

グミが私にプレゼントをくれる

しかも、手作りの

グミは本当にいい子だ


「では、その手袋の前払いとして、私がジュースを買ってきてあげます、何がいいですかー?」


お財布を手に持ち、ご機嫌にグミに近づく


「え?い、いいよ!そんな!私があげたくて、あげるんだから」


そんなことを言われたら、なおのこと何かしてあげたくなる

本当にグミはかわいい




そんなことを話している時だった

部室のドアがあく


「こんにちは」


そして……アイツがこの空間に入ってきてしまった……

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

私とアイツとあの子 #4

リンちゃん、かわいいと思うw

こんななんでもない時間が大切と、最初から気づける人はいない気がするけどねww

閲覧数:181

投稿日:2014/01/05 20:26:15

文字数:1,345文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • すぅ

    すぅ

    ご意見・ご感想

    リンちゃん貰っていいですか!?(((
    ちょっと二人とも可愛すぎますってうわあああ天使ですよ!!!!
    レンくんも気になります。
    でも幸せになって欲しいです...。

    2014/01/06 11:25:29

    • しるる

      しるる

      もらわれると、【完】なのですがww

      三人の人間では、少なくても一人誰かは幸せになれないのですよ

      2014/01/07 20:10:21

  • イズミ草

    イズミ草

    ご意見・ご感想

    うをぉぉ……ぐぬぬ……
    リンちゃん……!!!
    ふごぉぅぉぉぉぬぅぅぁぁ……

    2014/01/05 20:54:20

    • しるる

      しるる

      イズミさんが、言葉になってない!!!
      どど、どーしたの!
      まるで、重いものを持ち上げようとしているようだ←

      2014/01/05 21:02:33

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