3 ギルドへの入会
オフ会の日より数ヶ月前・・・
レンにゲームの基本を教わって数日が過ぎた。私がだいぶゲームに慣れてきたのでレンはギルドに私を連れて行くと言った。
MASATO〔何なのそのギルドって?〕
レン 〔う~ん言葉の意味はよくわからないけど、簡単言うと集団?組織?まぁゲーム内の身内みたいなもんだよ〕
MASATO〔別に他の人の集団になんて入りたくないけど・・〕
レン 〔それだとなネットゲームをやってる意味があまりないしおもしろくないんだよ、ギルドでいろいろとやることがあってな、それが普通のオフラインのゲームとは違うとこなんだよ〕
MASATO〔言ってることが全然わかんない〕
レン 〔まぁ、やればわかるさ。とにかくギルドにいくぞ。まず最初にセシルさん挨拶するぞ〕
ゲームの世界で私はレンの後についていき、セシルという人に会いにいった。
レン 〔おつかれでーす、この前話した兄弟連れてきましたー(o^∇^o)ノ〕
セシル〔おつかれー、おつかれーww彼がレンの兄弟?〕
レン 〔この人がセシルさんだぜ〕
MASATO〔始めまして、MASATOです よろしくおねがいします〕
私のゲームキャラはレンに男にしておけと言われたのでMASATOと言う名であるが、レン自身はそのまま自分の名前をつけている。正直始めはどうでもよかったのだが、このゲームをしばらくやってみると女性キャラクターの身に着ける服装が結構よく作りこまれており見ていてかわいい。いろいろな服を手に入れてその日の気分で着る服を選ぶなどしてると楽しいと思う。なのでレンの変な忠告どうりに作ったこの男性キャラクター、今となってはものすごく変えたい。ただ、そう思いつつも別にいいか、いつまでもやるわけじゃないしと自分を納得させていた。
セシル〔私がここのマスターのセシルです。よろしくどうぞ〕
セシル〔何かわからないことがあったら何でも聞いてください〕
レン 〔セシルさんは何でも知ってんだぜ すげーよほんと〕
セシル〔いやーまだまだ自分も知らないことたくさんあるけどね。ただモニターテストからやってるからそれなりの知識はあるかな〕
私は自分の部屋を出て隣の部屋にいるレンのところに言った。
「ちょっと、ちょっと、レン君。モニターって何?」
ノックもせずに突然部屋に入ってきた私にレンはわぁと言って驚いた。
「な、何だよいきなり!部屋に入ってくんなよ。」
「だって、モニターって意味がわかんないんだもん。なんか直接聞くのも怖いし・・・。」
「別にそんなことに遠慮なんていらねーし。あれだよ、ゲームのサービスを正式に開始する前にテスト期間があるんだよ。そんときにテストプレーヤーとしてゲームをやる人のことだよ。わかった?」
「うん・・なんとなく。」
正直よくわからない。それにしても私と会話をしながらレンはゲーム内でチャットをしている。なんて器用なのだろう。すばらしい能力に見える。できればゲーム以外のことでその才能を生かしてほしいと姉として切実に思う。
この後私は、セシルさん以外の人とも自己紹介をした。リアルでも女性のミスティさん。ゲーム内で女性キャラクターは多いのだけれども実際のところ中身は男という人が多い。どれだけの割合で女性がいるのかわからないが、中身が女性の人というプレーヤーは結構少ない。
他にフリーターのジャスティスさん。社会人で子供っぽい女の子のキャラクターの茜さん。女子大生のmisakiさん、社会人でギルドの中のメンバー誰とでも仲良く話しができるターナカさん。本名が田中さんらしい。といった人達と話すことができた。
なんというか私はこのゲームの世界で現実では知らない人と出会い行動を共にするということが不思議な感覚であり、戸惑いを感じていた。始めはギルドの人達に自分のほうから話かけることもできなかった。しかし、レンが寝てたりしていてゲーム内におらず私が一人でいるときにギルドの人達はよく私に声をかけ、一緒に行動しようと誘ってくれた。そうしていくうちに私は自然とギルドのメンバーと親しくなっていった。
4 セシル その1へ続く
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