―少し肌寒い春の朝
僕はあなたと誓い合った
「いつまでもずっとそばにいよう」と
あの日の君は、寂しげだった
ただ過ぎ去ってゆく季節を見つめ
部屋に咲く花がそっと枯れてく
静寂な世界で君と僕は色を失った景色を見る
昇ることのない朝日を君は待ち続けながら眠った
桜が色付く春の日にあなたは僕に笑いかけた
「これからもこの花を見ていよう」と
あの日の君は、切なそうに
道端に咲く小さな蕾が
花を咲かすことに気付けない
そんな風にあなたがついた「嘘」にも
気付くことができなかったのかな?
春風に散ってゆく花は空を綺麗に染めて流れてく
あなたはそっと冷たいその手で強く握って泣いた
桜舞う季節に廻りあった
あなたはいつも無邪気で輝いていた
「あの日の姿を消さないでほしい」
そっと、空に願った
春風に散ってゆく花を見つめ
静かに時は流れてく
弱い僕は何もできないけれど
つないだその手を強く握り返した
―少し肌寒い春の朝
僕は眠る君に誓ったんだ
「ずっと一緒に、生きてゆこう」と
花は静かに、息を止めた
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