※注意※
この小説には、ボカロ以外のキャラクターも出てきます。
オリジナルキャラクターに嫌悪を抱かれる方は読まないことをおすすめします。
それでもおk! って方は↓↓どうぞ!
一度光を識った人間は、闇のなかでは生きられない。
*
一週間なんて、あっというまだ。元旦を迎え、親戚もやってきて家も騒がしくなった、七日目の夜。
酒の入った大人たちに絡まれるのがいやで、外に出た。新年だからといって、
未成年に酒を飲ませようとしないでほしい。まったく、大人は都合がいいよな。
ため息をつき、顔を上げたときだった。僕は、ゆっくりと目を見開く。
星空、だった。
迷いの森の木々で視界は狭いが――たしかにそれは、星空で。
気づいたら、走っていた。
都会じゃ絶対に見れないような、かぞえきれない星たちを追って、開拓した一本道を駆ける。
これは、崖へと続く道。
障害物のないあそこなら、見えるはずだ。
だれにも、なににも邪魔をされずに。
乾いた茶色の獣道を抜けた、そこは――
「……なんだ、これ」
濃紺のじゅうたんに散りばめられた、無数のかがやき。
人工物と錯覚してしまいそうな、空いっぱいの、きらめき。
かがやいて、
きらめいて。
言葉が出ない。
きれいだとか、すごいだとか、チープな言葉にしかできない。
形にすると、一気に失われる光。
こんなにたくさんの星を眺めたことがあっただろうか。
まったくの別空間。僕は現実から切り離されてしまったのかもしれない。振り返ると、
真っ暗な道が伸びている。空を見てからだと、余計に黒く感じた。
たとえ夢だとしても、このことを忘れることはないだろう。適当なところを見繕って、寝転がる。
服越しの地面の冷たさも、ここでは気にならなかった。ただ、空を仰ぐ。
残念ながら僕には星の知識が皆無なので、あそこにあるのが何座だとか、そういうことはわからない。
ちんぷんかんぷんだ。けれど、この星の数なら、専門家でも匙を投げてしまうんじゃないか。
街の明かりは、星の光を掻き消してしまう。
どうして、人々は街を明るくしてしまったんだろう。暗いのは不便だが、これを見れない人たちは哀れだ。
現代の人間は盲目すぎる。
この空間を写真に収めたいとも思ったが、形として残してしまうと壊れてしまうような気がして、やめた。
またきたときに、訪れればいい。
とりあえずは、星空を目に焼きつけておくことにする。
いつまでも、このかがやきを忘れないように。
*
あなたがいないと、わたしは、わたしじゃなくなってしまいます。
あたまがぼやーってして、なんにもかんがえたくないです。
このせかいには、わたしたちいがいにも、たくさんひとがいるのに、どうして、あなたじゃないとだめなの?
かみさまは、いじわるです。
あなたをひきずりこんで、たべちゃおうとしています。
たべないで。
あなたはひかりなの。
わたしから、ひかりをうばわないで。
つづく
盲目の宇宙飛行士―05―
はい、挨拶が思いつきません。こんにちは。おはようございます。こんばんは。ちーっす。
盲目05、お届けにあがりました。
これを書いてた日に、初めて停電になりました。
昼間だからよかったけど、夜は面倒ですね(´・ω・`)
作品解説。
・パレェドの作品には、必ず社会風刺が入ってます。まだまだ若くて経験不足なので、子供目線ですが、風刺します。書くからには、伝えたいことがある。どこかわかるでしょうか。
・「識った」は、しった、と読みます。一応ね。
・そんな星空見たことないので、描写むずかしいです。勘です。もうs想像です。
・「人工物」=プラネタリウム
・「真っ暗な道」=ただたんに、明暗の意味だけじゃないです。
きれいな空=現実から切り離されてる=夢 に比べると、どれだけ現実の苦しいことか。
・街の明かりは、星の光を消してしまう。強い光は、脆弱な光を消してしまいます。当然ですよね。どうしても、目線は目立つほうに行ってしまいます。だから、僕らは盲目なんだ。
・最後のやつ、全ひらがな表現だとさすがに見づらいので、間隔あけました。さあ、これはだれの言葉でしょうかね。そのうちわかります。
今回伏線めちゃくちゃある気がしなくもない。
というわけで次回、【祈りよ届け! 見よ僕らの血潮パワー!】こうご期待!
※タイトルと内容は、予告なく変わる場合があります。ご注意ください※
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