最近、とても重要な事に気付いた。
こんなこと言ったら、全国の非リア充さん達や管理人さんに贅沢過ぎって言われそうだけど、(とゆうか管理人にはもうぶつくさ言われた…)その、えぇっと、なんていうか…
―――好きって言われた事がない。
う、あ、いや、あの後付き合うことになったし、デートもするんだけどっ!
レンってば積極的だし、いや、そこも素敵…ってそうじゃなくて!
それでも、
――――言葉に出してちゃんと言ってほしい、
なんてやっぱ贅沢過ぎるのかな…。
【まだ終わったなんて、・その後】
今日はレンとの久々のデート!
あぁ、最近会ってなかったから嬉しいな―、なんて。
でも、レンはどうなんだろ。
誘ったのもあたしだし…、
……いやいや、そんな事考えちゃ駄目駄目!
あたしはブンブンと首を振ってそんなドロドロした感情を押しやると、待ち合わせの場所に向かった。
******
「げっ…」
「会って開口一番がそれか?」
ちょっとはにかむレン。そんな姿もかっこいい…じゃなくて!
「うぅ~…レンの方が早いなんて………ちょっと嬉しいじゃん」
最後の方は声がしぼむ。
だめだ…目茶苦茶恥ずかしい。
聞こえてないといいなーなんて、浅はかに思った都合のいい考えはレンの、
くしゃ、
と撫でた手と嬉しそうに笑う顔で打ち消される。
「折角セットしてきた髪型が崩れるんですけどー」
そんな言葉はだたの照れ隠しで。
「あ、俺の為にセットしてきてくれたの?」
ちょっと黒い、でも悔しいほどかっこいいレンの笑顔。
「~~っ!!そ、そうに決まってるじゃん!」
……なんか心臓が足りそうにない。もう色んな意味で。切実に。
人が見る夢と書いて儚いと読むのだよ、ワトソン君。
…なんで私がそんな小説にありがちなネタを持ってきているのかと言うと、
……言ってくれない。
好き、って。
て、ゆうか!
絶対避けてる!
だって、好きとか言うようなシーンになると、毎回さり気なく誤魔化して…
そんなにあたしが嫌いかっ!
………。
…………………。
…………………………っぅ…。
涙が零れそうになって、慌てて首を振る。
―――泣いたりする前に、ちゃんと聞かなきゃ。レンの気持ち。
泣くのは卑怯だと思うから。
「れっ…レン」
…裏返った気もするけど、気にしない。
「何?リン」
怪訝そうな顔で振り返るレン。あたし、そんなに挙動不審だった?
「レンは…リンの事、どう思ってる?」
泣きそうな顔にならないように一生懸命に表情を作るけど、上手く出来てなかったらどうしよう…。
「俺は…」
一瞬、言葉に迷うレン。
「嫌い、じゃないよ」
「っ…!あたしが、欲しかったのは、そんな言葉じゃなくてっ、」
なんで、言ってくれないの?
「あたしの事、好きじゃないの…?」
レンの顔が近づいてくる。キス、するんだって分かった。
だから、
どんっ
あたしはレンを押しのけた。
目を見開くレン。
「リ、」
「行動じゃなくて、言葉で表してほしい事もあるのっ!行動だけだと、あたし、カラダ目当てじゃないかって不安になっちゃっ…」
そこまで言うのがやっとで、途中から涙が溢れ出てくる。
―――あぁもうやだ…カッコ悪いy
「っ?!」
ぎゅうっと強く、でも痛くないくらいに配慮されて抱きしめられた体。
あたしは慌てて押しのけようとする。
「なっ…ちょっ…や!」
いくら押してもぴくりとも動かない。流石男子である。
―――でも、あたしがしてほしいのはこういう事じゃないのに。
それでも嬉しいなんて思ってしまう自分が悔しくって、思わず漏れる本音。
「やだよっ…!そんな事しないで!あたしばっかりレンの事好きでっ…レンはそんなことないくせに……っ!」
じたばたとレンの胸の中で足掻いていると、小さく耳元で聞こえるレンの声。
「俺も、……リンの事が好き、だから。多分、リンが思ってるよりずっと」
「え…レン?」
う…あ…ど、どどどうしよう………っ
…レンからそんな言葉聞けるなんて思ってもなかった…。
びっくりし過ぎて、涙も止まった目でレンを見上げると、
―――真っ赤な顔でそっぽを向いてるレンがいた。
「ふふ、」
自然と笑いが漏れる。
「なっ!笑うなっ!……こういうの、苦手なんだよ…でも、リンはスラスラ言えるしさ…いっつもどんだけ心臓に負担がかかってた事か…」
ぶつくさ言い訳をするレン。
…つまり、アレですか。これまで恥ずかしくって言えなかったと。
あぁもう。なんか、レンの事、更に好きになれた気がする。
ちょっと笑いを含みながら、あたしは笑顔でこれまでの仕返しとばかりに言ってやった。
「あたしもね、レンの事、だーーい好きだよ!」
照れ屋なレンを見れるのは彼女の特権、かな。
あたしは未だに赤いレンの顔を見てちょっと嬉しくなった。
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