良い事なんかない日の
夜がとても長い

一人ぼっちの部屋
誰かさがすように眺めていた


ブラウン管 左上
卵を産んだアヒルと

踊っていたいから
明かりを灯して 開けるのだ


百年前の映画
白黒の怖い顔

そいつめがけてぶちまけて
響け 僕の旋律


藍色のビロウド
どこへ行くのか
仄明かり泳ぐからくり竜に
かき消されていく
眠れなくなりそうだ
「気づかないうちに突き落としてよ」


両耳塞いで
閉じ込めてしまった音を
得意気に奏でては
誰もいないのに喜んでいた


塗りつぶして
すぐ破って
時に跳ね返され

進まないようだ
嫌だよ 嫌わないで


藍色のビロウド
目も閉じたまま
どこかで返す君の歌声を
滲ませていく
染める五線譜
鳴らす 鳴らす
「ここで待っている」と


深い暗がりを
どこへ行くのか
仄明かりさえ呑み込んでいく渦
かき消されていく
泣いてしまいそうだ
「気づかないうちにそばにいて」


琥珀のビロウド
夜が明けていく
からくり竜と去った君にバイバイ
「また明日ね」と
もう眠ろうか
明りを消して
しまった五線譜

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

夜更見聞録

閲覧数:442

投稿日:2015/01/29 22:04:11

文字数:473文字

カテゴリ:歌詞

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