おはようございます
今日の天気予報をお伝えいたします。
今日は全国的に、ニセモノ注意報が――――――――

今日の朝、何気なく報道された君の死。

天気予報に、トレンドに。
押しつぶされるように。
1分足らずで終わった。

「お、おはよ・・・。」
沈んだ朝の挨拶。私は久太のところへ真っ先に向かった。
「久太・・・。」
久太の顔には、絶望の他無かった。
いきなり親友を失った悲しみは、深いはずだ・・・。
そりゃ私、浅葱美奈だって同じ。
好きだった隣人を失った。
・・・・・。
「ごめん、浅葱・・・一人にして。」
久太が消え入りそうな声で言った。
「あ、う、うん・・・。」
私は、その場を去ることしかできなかった。

私は、朝のテレビの事が気になって仕方がなかった。

おはようございます
今日の天気予報をお伝えいたします。
今日は全国的に、ニセモノ注意報が――――――――

ニセモノ注意報って、何??

あれって、天気じゃないよね??
ただのドッキリか楽しませるための企画か。
きっとそうだろう。

キーんコーンカーンコーン・・・
「お昼だあーっ!!」
私は友人数名と屋上でランチボックスを広げていた。
「学校の唯一の至福だよねーっ!!」
私が卵焼きを頬張っていると、友人が私をじっと見ているのに気付いた。
「・・・どうしたの?」
「・・・あのさ・・・昨日美奈塾じゃなかったっけ?なんで駅前のカラオケで遊んでたの??もしかして・・・サボり??」
・・・・え?
「いや・・・私塾ちゃんと行ったよ??人違いじゃない?」
「えー?確かに美奈だったハズなんだけど・・・。」
「ほらー、世の中には、自分と似てる人が3人いるっていうじゃん?」
世の中って言っても、ここら辺だってこともあるだろう。

でも・・・いつもいる子がそんなに言うって事は、すごく似てたんだろうな・・・。

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  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

終焉の栞~ニセモノ1~

今回からニセモノ注意報です!

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投稿日:2012/11/11 17:05:28

文字数:784文字

カテゴリ:小説

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