透き通る空 微かに頬に 寒風
はしゃいで遊ぶ 子どもの声が聞こえる
久し振りに 通る細い道
あの頃と 少し違う眺め
それでも 大切
掌で 溶けては消える
雪の姿に 誰かを重ねてみたり
銀色に 染まる景色を
懐かしんでは 再び巡る冬を想う
冷たくなって 感覚のない 指先
気持ちも鈍る 大人になって余計に
目に映った 線路沿いの花
もう今は 電車の向こう側
気にして 佇む
近付いた 夜の気配に
応えた息が 白く漏れながら踊る
ふとよぎる いつかの場面
胸に残した 幼い熱が蘇って
夢が覚めて 一人きりで 迎える朝の光 始まる今日
何度も同じ様に 繰り返して 季節はいつの間にか 過ぎ去るもの
この冬もやがて終わるから
寂しさは 心がちゃんと 此処にあるから 此処で生きている証
掌で 溶けては消える
雪の姿を 忘れる時が来ようと
思い出す その日も来ると
強く願って また次へと進む
どんな瞬間も あの笑顔も あの涙も
意味があったと 信じて
この先で出会う まだ知らない 誰かにとって
導きとなる 芽であるなら
一片の 葉が散る前に もう一度だけ 確かめたくて
移り行く 流れの途中 今ゆっくりと 呼吸をする
―――――――――――――――――――――――――――――――――
すきとおるそら かすかにほほに さむかぜ
はしゃいであそぶ こどものこえがきこえる
ひさしぶりに とおるほそいみち
あのころと すこしちがうながめ
それでも たいせつ
てのひらで とけてはきえる
ゆきのすがたに だれかをかさねてみたり
ぎんいろに そまるけしきを
なつかしんでは ふたたびめぐるふゆをおもう
つめたくなって かんかくのない ゆびさき
きもちもにぶる おとなになってよけいに
めにうつった せんろぞいのはな
もういまは でんしゃのむこうがわ
きにして たたずむむ
ちかづいた よるのけはいに
こたえたいきが しろくもれながらおどる
ふとよぎる いつかのばめん
むねにのこした おさないねつがよみがえって
ゆめがさめて ひとりきりで むかえるあさのひかり はじまるきょう
なんどもおなじように くりかえして きせつはいつのまにか すぎさるもの
このふゆもやがておわるから
さびしさは こころがちゃんと ここにあるから ここでいきているあかし
てのひらで とけてはきえる
ゆきのすがたを わすれるときがこようと
おもいだす そのひもくると
つよくねがって またつぎへとすすむ
どんなしゅんかんも あのえがおも あのなみだも
いみがあったと しんじて
このさきでであう まだしらない だれかにとって
みちびきとなる めであるなら
ひとひらの はがちるまえに もういちどだけ たしかめたくて
うつりゆく ながれのとちゅう いまゆっくりと こきゅうをする
Through the winter
livieraさんの曲に合わせて書いてみました!
http://piapro.jp/t/_olz
「冬の温もり」とコメントされていたのを元に、冬を耐え抜くモチーフで前向きに書いてみました。冬に対して後ろ向きなイメージが多い気がしたので、そう感じさせる単語を極力避けて「越冬=充電」みたいに。まだ今は寒くても、これから温かくなる前の仄かな予兆の様に。
そこに、雪国に里帰りした人の心境としても読める様に調整を入れてみました。
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