私が目指してるものって何だろう
漠然とした未来には　いつも通りの私が座っていて
変わらない味を飲みながら　世界滅亡の噂話を聞いている
ストールも茶色く傷んだ髪もそのままに
口元と目蓋の動きが少し鈍ったままでいる
傍らの手帳は黒くて
いつかの毎日は引出しの中に　きっともう山積みに箱詰めされている
あの人とはどうなりましたか？　毎晩の電話は途絶えましたか？
答える代わりに笑う癖もそのまま
変わりたい、ってきっと　そういうことじゃないんだね
あなたは幸せですか　辛いことには耐えましたか、向き合いましたか
あなたにだってまだ　可能性の選び方を　間違えることもあるだろうけど
　目指したものは見付かりましたか
　浮かれたままではいられませんか
　幼い私、と笑うことをやめるには　殺すべき何かが必要ですか
あなたを見失う前に　可能性を一人　殺します
明日死ぬかもしれない私に　ひとつだけ選ぶことを　その勇気をください
根を張った私を　笑っているあなたを　指をさす憎たらしい顔を
見失う前に　遠ざかって置き去られることのないように　一人殺します
　愛してるなんて言いたくない
　愛してるなんて言いたくない
　考えないで聞いて　断末魔を聞いて
　あなたが最後と嘘でいいから言って
宣戦布告が遅すぎたの　あなたを愛してしまったの　だから辛いの、苦しいの
引き金が重くて震える　それだけのこと
　情景：私が私を殺します　内部戦争　銃はひとつ　一人、あなたを殺します
　そこに羽はない　あなたは天使　あなたは宇宙天使
　私は人間　殺さないで、は天使の声　あなたの声