私は何故かめーちゃんに【今日、イアと音宮さんの読み聞かせの練習、あなたが指導しておいてくれない?】と頼まれてしまった……

もちろん、私は【ええ……なんで私が……】と断ろうとしたが……

【あっそ、じゃ、今からのバイト代はナシね、もう帰ってもいいわよ】なんて、鬼なこというから……仕方なく私は付き合う

そもそも、私は人に何かを教えるのは得意じゃない……





「だーかーらー、イアちゃんは、かたすぎー。ミクちゃんはもっとこう……気持ちを込めて!」


そういった私は机にだらーっとした状態で突っ伏した

かれこれ一時間指導したのに効果なし……

イアちゃんは鉄仮面みたく笑わないし……

ミクちゃんは文字を追うので精いっぱいで、全く気持ちが入ってない……

もう疲れた……


「うう……ごめんね、グミちゃん……私も頑張っているんだけど……」

「うん……わかるよ。頑張っているのは。あ、甘いもの、飴とか食べる?きゅうり味」


そういって、私のポケットから三つ出すと、一つは自分の口の中へ、残りを二人にあげた


イアちゃんも、それを口の中にいれる……そして一言


「……甘くない」

「うん……相変わらず、味が薄いものシリーズだね……」


ミクちゃんもなんか不満そう

この低カロリーのすばらしさがわからないのかなぁ?




そして再び、指導に戻る


「まずさ、ミクちゃんはさ、まじめすぎるんだよ」

「そう?でも、読み聞かせだし……」


ミクちゃんが本とにらめっこする


「あのさ……絵本の物語なんて、雰囲気がわかればいいの。つまり、国語の授業みたいに一語一句間違えちゃ駄目ってことはないんだよ?」

「え!?そうなの!?」


やっぱり、ミクちゃんは真面目すぎるためか、しっかり読もうとしすぎだったんだ


「ちょっとかして、私がお手本みせてあげる」


そういうと私はミクちゃんから絵本を取り去る

そして、絵本の中身をミクちゃんたちの方に見せる

つまり、私の方からは、絵本の表紙、裏表紙の方しか見えていない

その状態で始める



むかしむかし、おじいさんとおばあさんがすんでました

おじいさんが山に入ると、竹藪の中に光る……大きなみかんがありました

家にかえって、中をあけてみると中からかわいらしい女の子が入っていました

二人は彼女のことを「みかん姫」と名付けて、大切に育てました

―――中略

とうとう、みかん姫は和歌山に帰らなくてはならなくなりました

みかん姫が鬼退治で手に入れた宝をおじいさんたちに渡すと、涙を流してこういいました

「ここまで育ててくれてありがとう。あと、障子を破いてしまったのは、犬のせいだといったけど、あれは嘘です。私が破りました。つい……」

こうして、感動の別れをしたおじいさんたちと、みかん姫……

そのあと、たまにおじいさんたちは和歌山に電車でかよったそうな

めでたし、めでたし




「ね?大体でいいんだよ?」

「えっと……グミちゃん?……それ……かぐや姫の絵本なんだけど?」


ミクちゃんは真面目な顔でそういっている


「いいんだって!少しくらいアレンジ効かせたほうが子供たちは喜ぶんだから」

「……ええ?そういうもの?」


それをみて私が自信をもって大きくうなずく


「……ふふ」


その時、鉄仮面ことイアちゃんが、私を見て少し笑った


「あああああ!それ!それだよ!イアちゃん!いまの顔!それでやるの!」


しかし、イアちゃんは恥ずかしそうにして、すぐに顔をそむけたのだった

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

図書館は秘密がお好き#8【グミ視点・しるる】

久しぶりということもあり、グミちゃんのキャラを模索しつつになりましたw
少し何かつかめたような……
そうでもないような……


前回:http://piapro.jp/t/go2x

次回:http://piapro.jp/t/SoJE

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投稿日:2014/04/02 18:55:07

文字数:1,493文字

カテゴリ:小説

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  • Turndog~ターンドッグ~

    Turndog~ターンドッグ~

    ご意見・ご感想

    カオスwww
    グミちゃんそれは流石にカオス過ぎるwww
    みかん姫ってwwwみかんの中身はどこ行った!?
    しかも鬼退治したのかい!?それじゃみかん太郎じゃんwww
    そして真面目ミクかわいいよミク。

    2013/12/08 19:50:04

    • しるる

      しるる

      そかなぁ?
      桃太郎も桃の中身ないし…

      ゆあちゃんに無断で結構ハジけた今回、怒られないかなぁ

      2013/12/08 21:03:44

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