箱庭コビト


かつて時間を止めた箱庭で
僕は延々と歯車に語りかける
「ハロー 君はずいぶん無口なんだね」
誰の声もしないこの庭は
置き去りの温もりが眠っている

今日も歯車回る 変わらずに
僕は延々と歯車に語りかける
「ハロー 今日もどうやら元気そうだね」
ひとりきりの庭で待っている
誰を、と聞かれたって困るけれど


そっと語りかけて
どうか耳打ちするように

そっと約束をして
誰にも気づかれないように

小さな箱庭から
微かな音 カタカタカタ
君の耳に届くようにと
いつも思うのだけれど

小さ過ぎたんだよね
聞こえないよね カタカタカタ
ちょっとだけ淋しくても
それなら仕方ないかな


僕は向こうを見つめ 箱庭で
ただ一人ぼっち 歯車に語りかける
「ハロー 君はいつでも無口なんだね」
甘い木箱の匂いに包まれ
セピア色の思い出が詰まっている

今日も明日も回る 明後日も
僕は延々と歯車に語りかける
「ハロー 今日もどうやら元気そうだね」
あの時からずっと待っている
誰を、と聞かれたって 聞かれたって…

答えられないよ
もう、届かない人だから


そっと語りかけて
どうか耳打ちするように

そっと約束をして
誰にも気づかれないように

小さな箱庭から
微かな音 カタカタカタ
君の耳に届くようにと
いつも願うのだけれど

小さ過ぎたんだよね?
「そうだ」と言ってよ カタカタカタ
ちょっとだけ淋しくても
まだ僕は忘れてないよ


たとえ君には聞こえなくても

たとえ君がそこにいなくても

そっと傍に置いてね
この歯車が止まる日まで


…僕はずっと待ってるよ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

*箱庭コビト

小さな箱に住んでいる小さな小人のお話

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投稿日:2010/12/31 02:11:39

文字数:693文字

カテゴリ:歌詞

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