どんな表情をしているだろう。
僕の人生、全てが遺書だ。
片道切符で乗車していた。
朝は無人、眼下の川、茜色。

読まれない文を認めた。
今更だって分かっていたけど
声も失くすだろうから
詞にしよう。
残ることを祈りながら。

星の魚になりたかった夏が過ぎていくから。

もう一度だけ、
もう一度だけ、
貴方に会いたいと歌っただけ。
もう一度だけ、
もう一度だけ、
届けと願って歌っただけ。

指先が冷えていくから、
少しだけ生きている気がした。

昨日に溺れた今日を見ている。
何一つさえ残らない僕の
折れた筆で吐き戻す
空と送り火、風鈴に息、褪せた唄。

花を差す火薬の匂い。
夏を焚べて征くから。

もう一度だけ、
もう一度だけ、
届くといいなと歌っただけ。
もう一度だけ、
もう一度だけ、
あの日のアストロノーツ、
歌っただけ。

夜明けが見えていたから、
いつまでも生きていける気がした。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

あの日のアストロノーツ

人の音楽はどんどん風化していく。
人の記憶はどんどん薄れていく。
良いメロディーはどんどん世の中に溢れて、
大切にされた音楽はどんどん消えて行ってしまう。

忘れられてしまうことが怖いから、
貴方に届くような才能が無くても貴方を曲にすることにした。
聴いてくれた人がまた思い出せるように。

その先に「貴方の音楽」だけが残ったとしても、意義があると信じている。

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投稿日:2024/09/23 20:29:10

文字数:398文字

カテゴリ:歌詞

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