「何あれ…?どうして王子と普通に話しているの?」



あれからルカと神威は、よく一緒に居ることが多くなった。
二人とも楽しげに話している。

その光景を、物陰から見ている人物が一人。
ミクだ。
ミクは二人の姿を、とても疑問に思いながら見ていた。



(普通、一般人は王子と話すことができないはず…
 まさか…あの女、魔女?)



ミクは、神威と楽しそうに話しているルカを疑った。



(そもそもあの人、町に居たっけ…?やっぱり魔女?
 なんか、かすかに魔力を感じるし…
 やっぱり、彼女は魔女か!
 魅了する魔法を使ったのね!)



ミクは、ルカが魔女だと確信した。




あるところに、魔女が居た。
ミクは魔女でありながら、聖職者だった。
その理由は、自分が生きる為だった。
聖職者が魔女だなんて誰も考えないだろうと思ったからである。




ミクは首に掛けていた十字架を握り、祈った。
魔女である彼女を裁くということは、仲間を裏切るということ。
多少、罪悪感もあるが、‘魔女’ではなく‘聖職者’として、
ルカを裁く覚悟を決めた。








数日後。
ミクは神威を探した。

ルカが魔女だと気づいてから、数日間何もしなかったわけではない。
まず手始めに彼女の似顔絵を描こうとしたのだが、それが思った以上に難しかったからだ。
魔術を使えば一発だが、バレたら大変だ。

協会の人々に魔術を使うことはできない。
そのため、尚更自分の命が危ないと思ったからだ。
おかげでミクは手首がとても痛くなった。
だが魔女狩りの為仕方ない。

そして、城の人々にこっそりと魔術を使った。
ミクは自分が魔女だとバレないように、上手く魔法を使っている。
上級の魔女だからこそできる技だ。


そして神威を見つけたミクは、神威に近づいた。
神威は一人で歩いていた。



「…少しよろしいでしょうか?」



ミクは神威に声をかける。
神威は振り返る。



「なんだ?」
「失礼します。私は聖職者のミクと申します。貴方にお伝えしたいことがあります」
「私に伝えたいこと、だと?」
「はい。まず、この国では魔女や魔女の疑いがある者は処刑する、というきまりがあることはご存知ですね?」
「ああ。それがどうした?」



ミクはルカの似顔絵を取り出し、神威に見せた。



「では、この方をご存知ですか?」
「よく知っているが。」
「この女…ルカは、魔女です」



ミクはあっさり言った。
神威は不思議そうに首をかしげる。



「どういうことだ?」
「そのままです。彼女は魔女ですよ」
「彼女が魔女なわけがない」
「貴方は彼女が好きですか?」
「ああ。私はルカを愛している」
「彼女は貴方に、魅了する魔法をかけています」
「そんなわけない」


「では、――その気持ちも彼女が魔術で作ったもの、と言えば?
 気持ちだけでなく、その出会いすらも」
「…っ!」



こればかりは、神威は答えられなかった。



「とにかく、彼女は魔女です。処刑台送りにする必要があります」
「…そんな…ルカが魔女だなんて…」
「彼女を…捕らえてくれますよね?国の平和の為に」
「… あぁ…」



ミクは怪しげな笑みで言う。
答える神威の声は、ひどく沈んでいた。










あるところに、魔女がいた。
その魔女は、ある王子をたぶらかした。
一人は、魔術など使わず、ただ純粋に王子が好きだった。
一人は、生きる為に聖職者を選び、王子に近づきたいという嫉妬と聖職者としての仕事として、王子に魔術をかけた。



翌日、ルカは城の兵士達の手により捕らえられ、牢屋に入れられた。

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魔女 2【自己解釈】

閲覧数:1,166

投稿日:2013/04/02 18:48:25

文字数:1,528文字

カテゴリ:小説

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