君にだけなんだから、ちゃぁんと聞いててよね?


リンリンシグナル1【自己解釈】

髪の毛……よし、跳ねてない!
お気に入りのワンピースも、しっかりアイロンかけたから…
大丈夫、シワひとつない
リボンだって、バッチリきまってるし…

「Σあ、靴下かたっぽ下がってる」

街中のショーウインドウを姿見にして、にらめっこのように全身くまなく最終チェックしていく。
これだけで所要時間は30分。
時刻は現在9:55。待ち合わせの時間まで後5分。

下がった靴下をうんしょ、と挙げながら、街行く人に時刻を知らせるための大きな時計を、私は幾度となく見続ける。

……正確にはあと20分、かな。

絵文字ひとつないそっけない謝罪の一言を見て、ケータイをぱくんと閉じる。
私なんて、楽しみすぎて30分以上も前からここにいるのに、待ち人は時間になっても来たらず。
…いつものことだから慣れっこだけどさ…

はぁ、とひとつ溜め息をついて近くの植え込みのある煉瓦に座り込む…といきたいところだけど、ワンピースが汚れたりしたら嫌だから、立って待っていることにしよう。

…実質、1時間待ちぼうけだよ、ばか。

ぎゅっと今彼との繋がりを感じられる唯一の物、ケータイを握りしめていつも彼のやってくる方向を見据える。
ルーズな彼を待ってる間に私、鏡音リンと待ち人である鏡音レンの少し前の話をしよう。



「そこ、俺の席。」
出会いは、入学式
同じクラスで、名前も一文字違いだったりもして
そそっかしい私は本来自分が座るべき席のひとつ後ろに座ってしまっていた。
「あ…ご、ごめんねっ間違っちゃったみたいでっ」
たはは、なんて笑って誤魔化す私に、レンは眉根を寄せた。

「ったく、気を付けろよな」
「はは、ごめーん…」

私が退いた瞬間に無愛想にそう言い放ち乱暴に席につくレン。
私はというと、笑ってはいたもののお腹が茶を沸かす勢いだった。
え?へそ?そもそも遣い方違うって?
……細かいこと気にしないでよ。
とにかく、こう思ったの
‘コイツむかつく’

…とまぁ、第一印象こそ最悪だったんだけど…
一旦仲良くなってしまえばぱちん、とピースが合ったみたいに誰よりも気の合う存在になってて…
そっけない態度も不器用なだけなんだなって気付いて…
……優しいとこもあったし…
気付いたら、恋してたって展開ですよ、はい。

え?その後?
…………///
あ、そろそろレンが来ちゃうからっ



人混みの中でも取り分け目立つ亜麻色まじりの金髪を揺らして、私の待ち人が駆けてくる

「もうっレンったら遅いよっ」

…言葉とは裏腹に、顔がにんまりとしているのが自分でもわかった。





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リンリンシグナル1【自己解釈】

うあぁあニヤニヤな名曲に勢いで手を出してしまったΣ
にやにやできるよー頑張るのでどーか 生ぬるい目で見続けてくだはい…

閲覧数:532

投稿日:2011/03/13 14:00:22

文字数:1,126文字

カテゴリ:小説

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