おおきなまちの
おおきなやしき
じぬしさまの
おおきなやしき


つたわっている
まほうのメロディ
ふしぎなちから
もっていた


よろこびのうた
あいのうた
なみだのうた
こもりうた


そのなかには
ありました
そとでうたうのは
いけないうた


じぬしさまの
ひとりむすめ
まいにちうたう
なかにわで


きいているのは
かわいそうな
めしつかいが
ひとりだけ


とてもすてきな
そのメロディ
そとのひとは
つゆしらず


うたわれるのを
ゆるされたのは
おおきなやしき
そのなかだけ


くろいおとなが
やってきて
おおきなまちを
おそいました


まちのひとたち
ころされて
おおきなまちは
うばわれた


じぬしさまの
ひとりむすめ
ひとりのこされ
つらいめに


よろこびのうた
あいのうた
なみだのうた
こもりうた


もうむすめは
うたえない
なみだながし
ねむってた


あるひきこえた
メロディは
きんじられた
あのうたの…


うつくしいこえが
きこえてきて
おおきなまちを
つつみました


くろいおとなも
きえました
おおきなまちも
こわれました


じぬしさまの
ひとりむすめ
まいにちうたう
レクイエム


きいているのは
かわいそうな
おとなのしたい
それらだけ


むかしのまちの
こわれたざんがい
ひとりのたびびと
あらわれました


うたいつづける
いちわのことり
たびびとはかごに
いれてった