響き渡った『ブレイク』のコールに『リトルフラワー』ががっくりと肩を落とした。
「ええええええ?!あいつ何やってんのよぉ~~!!まだ死なせてないのに!!」
「シャルロットも?一体誰だ?帽子屋か?」
「私のプレート鳳仙花お姉様に取られてるし…訳判んない!」
興が削がれたな、ここで俺達が戦った所で得られる利も少ない、となると他に面白そうなのは女性陣のチームだろうか?戦力になるかは判らないけど枯れ木も山の賑わいと言うし、ここは協力するべきだな。
「ね、バタフライちゃん、一緒にプレート取り返しに行こうよ。鳳仙花さんって喧嘩
するタイプじゃないでしょ?」
「むむむ?そうかも…でもでも!鳳仙花お姉様はチェシャ猫プレート持ってるのよ。」
「姉弟対決なんて超昼ドラじゃない?」
「おぉ!そうかも!ジャックさん冴えてる~♪」
ノリが良くて助かる子だな…、まぁ騙してる訳じゃないし構わないか。だけど、こっちの神父様は一筋縄じゃ行かなそうなんだよね…。真面目は美徳だけどこう言う場面では気楽に考えて欲しいなぁ。
「私は遠慮します。」
「ですよね~。」
やっぱりか、なんて思っていたら突然警報みたいな音がけたたましく鳴り響いた。
「わっ?!何?!火事?!」
「うるさ…何この音…?」
「――カカカカカカ!『ブレイク』コールによりトリガーON!!NPC『グリフォン』
攻撃開始だ!最新式の装備満載の反則スペックでお届け致しまーす!」
「はい?」
「何それ…聞いてないけど…?」
「貴方方スタッフなんでしょう?知らされてないんですか?」
「知らないわよ、そもそも私達『グリフォン』に会ってないもの。」
そう、最近入った『グリフォン』と言う新人が居るのは報告されていたけど挨拶も紹介も無かった。どんな奴だろうか少し話題には上った物の、忙しかった事もあってすっかり忘れていた。
「尚この『グリフォン』はブレイクに特殊条件がある!ハイ、全員スコープ装着!
今やれ直ぐやれマッハで着けな!」
「ムカ付く…。」
「おおお?!何かダークヒーロー?!」
「うざ…カラスか昔のゴミ袋みたい。焼却したいわ。」
スコープのモニターには黒尽くめの人間が映っていた。顔がマスクとスコープで徹底して隠れていて性別すら不明、こいつが『グリフォン』って事か。
「『グリフォン』を倒すにはコイツの正体を見極めて名前を二つコールする事が
条件だ!因みにプレートは同じ様に誰かが持ってるぞ~。」
「う~ん…見た所男っぽいけど…って、あれ?!増えた?!」
「げっ…!執事長?!」
「オプションとして『Mad Hatter』が同じ格好で出撃するから間違えない様に気を
付けな!それじゃあ皆様グッドラーック!!」
その場に居た四名は絶句していた。勿論俺を含めて。
「んなオプション要らねぇ~~~!てか、死亡フラグじゃねぇか!」
「無理無理無理!」
「花壇さんは安全ですね。」
「クラム探して来ようっと…。」
DollsGame-121.アキノキリンソウ-
祭は本気で楽しみましょう
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