ここは…どこだ…?

宛もなく探し回る。

「誰か…」

返事はない。

何も見えない。

ここは…どこ?


『アナタガ ノゾンダセカイデショウ?』

僕が…望んだ…?

そうか、僕は…















「ねぇっ!!」

「…何?」

「…何でそんな冷たいの?私何かした?」

今日の出来事。

彼女は僕の彼女の初音ミク。

「…ねぇミク。」

「何…?」

僕の雰囲気を察知した様子で、恐る恐る返事をした。

「僕、昨日見たよ。」

「あぁ、昨日のホラー特集ねっ!!?あれ怖かったよ…」

「昨日!!」

ミクは肩をビクッとはねらせた。

「他の人と歩いてたよね?」

「違うの、あれは」

「あれは何?」

「その…」

そう言って彼女は黙ってしまった。

今僕は怖い顔をしていると思う。

「いいんだよ、別に。」

僕は笑った。

「私はあなた以外好きじゃな」

「正直に言えばいいじゃないか。」

一歩、彼女に歩み寄った。

「僕が嫌いだって!!」

「違うの、私は…」

彼女は泣いてしまった。

「泣くほど好きなんだ。なら“これ”、要らないよね。」

“これ”とは僕が先月彼女に買ってあげた指輪。

恋人の印、である。

「だ、だめっ!!」

彼女の返事を無視し、森の方へと投げた。

僕は笑っている。

彼女は泣いている。

――何で人類には“愛”や“嫉妬”があるのだろう。

何故、人を愛してしまうのだろう。

傷つけてしまうのだろう。

せめてこの感情だけでも棄てられないかな。

この世界から抜け出したい。

彼女を苦しめたくない―――。


『ナラ コノセカイカラデレバイイ。』

この世界から…出る?

『ソウ。ナニモナイ カンジョウ ヲステタセカイへ。』

…行きたい。

誰も苦しめず、平和な世界へ。

『デハ ショウタイシマショウ。』













それがこの世界。

何もない、真っ暗な世界。

“愛”と“嫉妬”がない世界。

望んだ世界なのに、涙が出てきた。

虚しい。

心が無くなったような気分。

「ミク…」

その名前は懐かしく、そして遠い存在のように感じた。

「嫌だ…嫌だ…」

もとの世界に戻りたい。

『モウ アノセカイニハ モドレナイ。キミハ イッショウ イヤ シンデモ コノセカイカラ デラレナイ。』

―――それが、

僕が望んだ事。
『キミガ ノゾンダコト』

僕は戻れない。

涙が枯れても僕は泣いていた。











fin.

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Lost Story ver.禀菟

暗いわ…
ゆよゆっぺさん、こんな暗い歌じゃないですよね。
すいません…

永遠にここから出られない…
はい、地獄ですね(軽く言うな
ウサギなら寂しくて死んじゃいます☆(お前はネズミだからおk((生まれ年の問題じゃねぇw

閲覧数:117

投稿日:2011/08/05 21:33:44

文字数:1,070文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

  • 関連動画0

  • 檸檬飴

    檸檬飴

    ご意見・ご感想

    ミクは多分、浮気じゃなくて、相談的なことをしたんだよね!
    出られないのは嫌だな…(^^;
    まだやり残したことはあるし…。

    文才下さい!!今直ぐに!!

    2011/08/07 21:08:15

オススメ作品

クリップボードにコピーしました