むかし むかし
とある街角
男は仮面を被っていた

男は歌い街を歩くと
町人の胸に花が咲く

それは心の傷に巣食う
美しく刺のある花
花が咲いた町人たちは
男の痛みに泣いて朽ちる


ある日 男は
人形を拾う
漆黒の眼差し 朽ちたドレス

男は惚れ込み 見つめ続けた
夜の呪いがあると知らず

眼差しからとろける闇
仮面にじわりと染み付く
男は息が出来ないまま
美しい花を咲かせてゆく


町の外れの古い館に
男と少女が住むという

男は声を失ったそうだ
代わりに少女が歌を謳う

「悲しい」唇は仮面の中

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花と歌、それと仮面

人の心の傷を咲かせる男と、男の拾った人形の顛末。

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投稿日:2009/01/28 18:42:17

文字数:252文字

カテゴリ:歌詞

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