ニコ厨と呼ばれる人たちを釣る…其れだけのために造られて、仮にも歌姫でありながら…歌うということを知らずに、他の残骸たちと共に消えるはずだったあたし――重音テト――だけど、それは仕方の無いことだとも知っていた。

だって、あたしは某caloid。

人の声を合わせて歌うフリしか出来ないと、そう知って生まれた存在だから。…だけど、彼女は…彼女達は違った。


「あなたはきっと、歌えるはず。」


…あたしが、歌える…?

嘘だ。歌えないってことは、あたし自身が一番知ってるんだよ?
なのに…どうして。どうして、あなたはそんなことを言うの?


「声ならあるじゃない。あなただって、歌姫なんだから。」


声が、ある?
…確かに、仮でつけられた声ならあるけれど…それが、あたしの?

あたしだって歌姫、それはそうだ。だけどあなた達とは違う。
あなた達はVocaloid、あたしは某caloid。あたし達は、似て非なる存在…。


「ほら、一緒に歌おう?」


そう言って歌いだす彼女。

止めて、止めて、止めて。あたしはあなたとは違うの。
あなたは公式のVocaloidで、後には歴史に残るほどの歌姫。
あたしは非公式の某caloid、何年経っても歴史には絶対残らない嘘の歌姫。


「…大丈夫、あなたは絶対歌えるから…。」


ね?そう言って、にっこりと笑う。

どうして、あなたはそんなにあたしに構うの?
あたしなんて…偽者なんて放っておけばいいのに。


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

重音テト。(嘘の歌姫)

執筆途中です。
VIPPERによって造られた、某caloidの重音テト。
エイプリルフール限定のはずだった彼女は、祭りの炎に身を焼かれながら…、っていう感じの予定です。

ニコニコの嘘の歌姫を元にしてます。
間違った部分があったら、こっそり教えてください…^^;

閲覧数:174

投稿日:2009/12/07 14:09:46

文字数:630文字

カテゴリ:小説

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