───ある、雨の日の事。
とある街の、暗い路地裏。
その片隅で、冷たくなった幼い双子が発見された。
彼らの首には連番のバーコード。
薄汚れた揃いの服をまとった彼らは、互いに寄り添うように、息絶えていた。
彼らは、何処から来たのか。
彼らに、何が起きたのか。
今となっては、誰一人、知る由も無く。
唯。
一編の歌だけが、今もまだ響き続けている───
レン:生まれた時から僕らは二人だった。
リン:生まれてくる前から私達は二人だった。
レン:それは誰の差し金か?
リン:それは誰の筋書き(シナリオ)か?
レン:カミサマが
リン:居るのなら
レン&リン:どうか教えて──
レン:暗い部屋に唯一の
リン:光を与える小さな窓
レン:そこから見える《世界》に焦がれながら
リン:いつか訪れると信じてる
レン:鮮やかな《未来》(アシタ)を夢みる
レン:狂ったこの《セカイ》
リン:繰り返される《実験》(ココロミ)
レン&リン:嗚呼僕らは(嗚呼私達は)
《ソンナモノ》になりたくない──!
レン&リン:込み上げる涙を堪えて
僕らは只ひたすら
息をきらせて走った
逃げ出すんだ 飛び出すんだ
《終焉の箱庭》から──!
レン:いつもいつだって僕らは二人だった。
リン:いつでもいつまでも私達は二人だった。
レン:それは誰の導きか?
リン:それは誰の思惑か?
レン:カミサマが
リン:居るのなら
レン&リン:どうか教えて──
レン:暗い部屋を逃げ出して
リン:光を求めて飛び出した
レン:その《世界》には焦がれてたモノなど無く
リン:いつか訪れると信じてた
レン&リン:鮮やかな《未来》(アス)は見つからず
レン:色の無いこの《セカイ》
リン:打ち砕かれた《理想》(キボウ)
レン&リン:嗚呼僕らは(嗚呼私達は)
何の為に産まれたの──!
レン&リン:込み上げる嗚咽を堪えて
僕らは只ひたすら
抱き合いながら眠った
夢みるんだ 願うんだ
鮮やかな《未来》を──!
レン:「夢みればいつか叶う」と
リン:「願い続ければいつか叶う」と
レン:遠い昔教えられた
リン:記憶を頼りに
レン&リン:僕ら(私達)は想う──
レン:「どうか二人」
リン:「いつまでも」
レン:「幸せに」
リン:「自由に」
レン&リン:「「笑い合えますように」」
───刻みつけられた、深い疵。
逃げ出しても、その疵は疼き続けた。
幸せ、自由、色鮮やかな《未来》。
単純で純粋な願いすら、叶わせまいとするかのように。
運命は、《世界》は。
只、彼らを嫌った───
レン:冷たくなる手と手を合わせ
リン:そっと微笑み合った夜
レン:いつもと同じように
リン:《未来》を想って目を閉じた
レン:想い続けた
リン:願い続けた
レン&リン:《未来》(アシタ)は来なかった──
レン&リン:鮮やかな《夢》をみた
自由な《未来》を生きる《夢》
目覚めたくはないと
二人寄り添い合った
レン&リン:追って来る《現実》(イマ)から逃げるように
僕らは只ひたすら
手をとりあって眠った
《生きる》んだ 《生きる》んだ
二人、いつまでも───
───《逃避》だと詰られようが、《BAD END》だと称されようが───
───《それ》は、彼らにとって、《TRUE END》だったのだろう───
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想