「リンちゃんリンちゃん」

困った顔したミク姉がこっちを見てる。
手にはちっちゃくて甘いお星さま。色とりどりの金平糖。

レンがこないだ初めて買ってきてくれて、その日から私のお気に入り。
それを知ってるのはレンだけだから、きっとレンから聞いたんだ。
本当だったらとっても嬉しい、はず。
でも、今は全然ほしくなんかない。

「いらない、欲しくないもん」


三角座りで抱えていた膝の頭に額をこすりつけた。
ぎゅっと目を瞑ってみても零れる涙がなくなるわけじゃなくて、空しい。



「ねえ、リンちゃん。ずっとお部屋から出てこないから、レンくん心配してたよ。」
「………」
「喧嘩したんなら、ちゃんと仲直りしよ?私も一緒にいてあげる。」

ね?って小首を傾げるミク姉は、いつもはふわふわしてて
それでもやっぱりこんな時は「お姉ちゃん」の顔をする。

(でも、ミク姉)

喧嘩じゃないの。
喧嘩じゃないけど、ただ、胸が痛い。

大好きな片割れがくれた大好きな甘い金平糖だって、
今食べたらきっと苦い味がする。

大好きなのに、








(どうしてあんなひどいことをいうの)


ライセンス

  • 非営利目的に限ります

SUGARLESS SUGARLESS

レンリン的双子前提、リン+ミク話。
「僕を殺めるベラドンナ・リリー」の続きもの。

たった一つの棘ですら、貴方が落としたならば私は避けて通ることができなくなる。

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投稿日:2008/09/18 23:25:48

文字数:490文字

カテゴリ:その他

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