三つの宇宙速度超えて空の彼方
愛しい人の声も聞こえず時を彷徨う
いつからだろう、この身体は光と同化して
星闇を巡る彗星と同じようなものになってしまった

君に一つ、謝らないといけないことがある
あのお守りのクマ、失くしてしまったんだ
あんなに大事にしていたのに、もう君と僕をつなぐ証はない
それでもこの絆、切れないと信じていい?

僕は君に随分とたくさんの画(え)を贈った
二人憧れた、尽きない夢の景色を。
でも君からの返事は帰ってこない 届いているのかどうか分からない
――――別にそんなこと、最初から覚悟していたけど

ウタウ ウタウ 独り、
この暗闇を少しでも塗り替えたくて
空っぽなコトバを吐き出して
僕は小さくなった

行かなきゃ、

タキオン それは光速をも超えるヒカリ
何もかもが裏目に出て進むよ
失くしたもの、落としたところも分からず 君の待つあの惑星(ほし)には
もう戻れないんだろうなあ


母なる水球との臍帯(アンビュリカル)が切れて
懐かしいブレストはいつか埃をかぶってた
ビーコンを放ち、今日もまた返事を待つ
たとえ返ってきたってもう何万年もあとのことなのに

僕は結局、強くなれなかった
この寂しさに負けて押しつぶされた
星間ガスの中生まれるトラペジウムも 青いアンドロメダも
もう今はただ、その側を通り過ぎていくだけ

トドク トドク きっと、
けれど自分の言葉じゃ虚しいだけ
こぼれたナミダ星になって
僕は軽くなった

行かなきゃ―――――

タキオン それは決して止まれないヒカリ
思いも法則もすべて投げ捨てて
加速しすぎた僕がそれに気づいた時には
もう速度を緩めることもできなくなっていた


振り返る暇もなくて 君への思いが消えていくよ
いつか見ていた夢が輝きを失って
この宇宙の重力が引きあう孤独の力だとするならば
もうそれでも僕は止められなくて

焦りだけが残され
「もっと素晴らしいものを見せれば」
虚ろなココロが重みを失い
さらに先へと急がせる


行かなきゃ、行かなきゃ
でもどこまで?

ブラディオン 心ある者には超えられない壁を
僕は今超えて進みだした
ゼロを通り越し胸の内は真空となって
寂しさを寂しさと感じられなくて

タキオン それは心失った者の成れの果て
止まりたくても止まれないヒカリ
大切な思い出が、夢が、君を思う心が色褪せて曇り
そのうち悲しみも忘れるんだろうなあ

タキオン それは光速をも超えたヒカリ
未来永劫の果て、彷徨う孤独なる者
小さく軽くなって輝きだした僕は 君のいる光差す場所へは
もう戻れないよ


Good bye, my dear, I never come back forever.
I’ve lost our dream and your bear.
And I’ve been LOST in this awesome universe.
If you were to could hear me, please respond to me, as soon as possible.

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

タキオン -tachyon-

夜更かしついでに二度目の投稿をしました。
前作「launching to lonliness」の続編です。タキオンとは架空の粒子で、質量は虚数、普通の質量をもつ粒子(ブラディオン)がどんなに加速しても光より速くなることがないのに対して、逆に光速より遅くなれないという性質をもちます。ということだったと思います。

今年光より速いというそれが見つかったんじゃないかということで話題になりましたね。真偽のほどは不明ですが。光より遅くなれないって、それはそれでなんてぶっ飛んだポテンシャルなんだと思うけど、そうなると逆に止まれることに憧れてくるだろうな、なんてことをニュートン読みながら考えてました。
物理畑じゃないので多々おかしなところあると思いますが;ちなみにまだあと一作続く予定です。できれば2011年中に…できるかな?

―――――夢を追い続けた僕は、いつの間にか加速しすぎていた。
       もう戻れないよ、君のいる惑星へは―――――

解説できました→http://piapro.jp/t/wZ6b

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投稿日:2013/08/21 14:40:50

文字数:1,289文字

カテゴリ:歌詞

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